1人称視点が妙に不気味な小説。その印象通りの奇想天外な展開。派手なアクションもあり、主人公の活躍が凄かった。嘘の木と比べても遜色ない、優秀な出来だった。
冬に読んだこともあり、読んでいてかなり寒い思いをした。夏に読めば涼しかったかなあ。
1人称視点が妙に不気味な小説。その印象通りの奇想天外な展開。派手なアクションもあり、主人公の活躍が凄かった。嘘の木と比べても遜色ない、優秀な出来だった。
冬に読んだこともあり、読んでいてかなり寒い思いをした。夏に読めば涼しかったかなあ。
hideの曲にあったなー。花はいつしか毒を吐き出し、嘘を語るだろう。いや、調べるとだいぶ違う歌詞だったな…そんな、視界ゼロの海に出るかのような冒頭から、引き込まれてゆく。騙し合い、推理、各階層での生存を賭けた戦い、そしてド迫力アクション。まるで映画だ。
時代設定に影響されながらの進行で、いろいろな思いの渦巻きを感じさせてくれる。
そして、問題の木ですよ、木。こいつヤバいね。おどろおどろしい。こんな植物、どうやって繁殖するんだ、という謎はどうなるんだろう。
現代シカゴのハードボイルドで、アクションで、ファンタジー。家賃に悩まされ、警察に睨まれ、ヤクザに殴られながら謎を解く。これはいい話だなあと思って。
いきなりの魔法使いを自称してそのように振る舞う主人公だが、途中までなかなか魔法を使わない。これはラストで一発魔法を決めるだけで、その過程は普通に推理小説なんだと早合点していたんだけど、途中からバンバン魔術を決めるようになっていった。そうでしたか。
シリーズになって、続編も出ているらしいな。割と良かったけど、謎解き要素が薄れて魔法対決になってしまったのでちょっと趣向が変わったかなと思ったので、続きを読むかどうかは分からない。気が向いたら。
「オズの魔法使い」の物語をベースに、紅の探偵が事件を鮮やかに解決していく復讐の旅物語。全てを統べるひとつのクッキーを火口に投げ込んで滅ぼさなければ! そのために遠くカンザスの地にビンテージワインを届ける! そのウサギの足のお守りの謎とは…なんか混ざりすぎてねえか? 「ごんぎつね」まで混ざってた気が。おまえだったのか!!
決め台詞を持つ探偵のキャラクターも悪くないしストーリーの繋がりもあって、童話風の急展開の空気感。なかなかいい出来だった。
人気昔話ミステリの第3弾。とりあえずサルがやばいということはわかった。南天丸、死すべし!
なかなか楽しめたよ。誰でも知ってる話だけど、なんとなくバリエーションがあって変化があるのが昔話。それがベースだから、というのもあるだろうな。
昔話をベースにしたミステリ。まさかあいつがあんなに悪いやつだったなんて! 短編集みたいになってるけど、よく語られる昔話、よくある本格推理のアングルで、一通りのバリエーションはやった感じかな。
まあこれ叙述トリックはどうかと思った。しかしこのフォーマットはいろんなことに応用できるよね。と思ったら続編も出ていた。続編も読みたいなー。別に昔話じゃなくてもよくて、よく知られている物語をベースに推理小説にすればいいんで、範囲は広いよね。
題名は非常に有名だが読んだことのなかった名作。しかしオズがあんな体たらくとはね。がっかりだ。作者はなんでこいつをタイトルにしたんだろう。
登場人物 | 採点 | ひとこと |
---|---|---|
オズ | 4.0 | あまりにも無力! 使えない奴。しかも逃亡!? |
ドロシー | 5.0 | 魔女を倒したのは幸運にすぎないが、幸運を呼び寄せた |
トト | 5.0 | しゃべれないというハンデを克服できなかった |
かかし(MoM) | 6.5 | 無敵! あまりにも無敵! |
ブリキ | 5.5 | 木こりとしては標準的な活躍 |
ライオン | 6.0 | ほんとにほんとにほんとにほんとにライオンだー |
ネズミ女王 | 5.5 | けっこう活躍したよね。印象には残らないけど |
飛行サル | 5.5 | 飛行する…サル! ちょと何を言ってるのか分からない |
魔法使い東 | 5.0 | 登場時にはすでに事故で死亡…哀れな |
魔法使い北 | 6.5 | 魔力で言えばこいつが最強…だがオズの真相を見抜けず |
魔法使い西 | 4.5 | 一度は主人公に勝利するも水に弱い…パンでできてるの? |
魔法使い南 | 6.0 | こいつが主人公でも良かったんじゃないの? |
カンザス人 | 4.5 | 活躍の場を見せられず |
思うに(オズは置いといて)魔女の魔力で比較すると北南の良い魔女は西東の悪い魔女を圧倒している。特に北の魔女の魔力は卓越していて、おでこへのキスだけで悪い魔女に手出しできない手下を作れるわけだ。ここまでの戦力差があるのに、しかし西東を滅ぼさずにおいたということは何かを暗示しているのでは? そしてその均衡を部外者のドロシーが偶然にも崩してしまい、世界の平和が乱されたという構造だ。北の魔女がドロシーに味方しつつも靴の使い方すら教えないというのは、部外者に対する親切心と敵対心の葛藤が見られる。