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山椒の実

Category: Education

ハーバードでいちばん人気の国・日本 (佐藤 智恵)

近年、割と「日本スゴイすぎる」みたいな気持ち悪い本や言説がはびこっていて、まあこれも、だいぶ気持ち悪い本なんだろうなという思いはあったよ。でも読む気になったのは、ハーバード。日本は別にいいんだよ。ハーバードでは何をどう学んでいるのか。その情報を手軽に読めるかと思ってね。ひとつひとつのエピソードは割とどうでもいいし、一番人気というのはもちろん誇張で、一番ではない。当然だが。

ハーバードのようなリーダーになるべき人間を集めてリーダー論を学ばせる場所では、ケーススタディに関してもリーダーの立場でどうするか、というところに力点が置かれるようだ。例えば我々も歴史で関ヶ原を学ぶよね。ただ、そうだったのか、そういう流れだったのか、というのを理解するんだけど、彼らは違っている。自分が家康だったらどう決断したか、自分が三成だったらどう決断すべきだったか、ということを考えるのだ。まあこの本に関ヶ原が出てくるわけではないですが。俺はあそこで小早川に鉄砲をブッ込めるのか? 逆にそれで敵対して襲われたら確実に負けるわけだぜ。

Fランク化する大学 (音 真司)

大学の掛け持ち非常勤講師を5年間やった著者が、大学の問題について記した。著者は商社で働いていたのだが、ドクター取るために会社を辞めて、そして非常勤講師になった。給料は激減したらしい。

Fランクというとどうしても学生の質という印象が出てしまうのだが、この本は教える側のダメさ加減にフォーカスしている。考えてみれば、まあそりゃそうだよね。高校出たばかりというところからであれば、しっかり教育してモチベーションを与えれば化けるでしょう。首相の名前知らないとかバカにするけど、自分の若い頃の状況を考えてみても、大学入った頃ってのはやっぱり、幼いもんだよね。なんていうか、興味の対象が違うだけなんだからさ。

10年後、生き残る理系の条件 (竹内健)

東芝のフラッシュの立役者で現在は中大教授の竹内さんの書籍。この界隈では有名な方ですよね。私も前職で少しはまぁ…。内容はタイトルの通り、技術者がこの先生きのこるには、という話。書籍の種類としては自己啓発本なので、普通なら私が読むような種類の本ではない。心にはあまり響かなかったけど割と面白く読めるという、珍しい本ですね。

ただやはり技術者で研究者で教育者なので、自信のないところは分かるように「ではないでしょうか」「かもしれません」みたいな語尾になるんだよねー。そこは感じられる。ほとんどの文章が経験に基づいていて、伝聞に基づいている部分は少ない。良心。正常性バイアスみたいな話は実際にあるからなぁ。