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山椒の実

Category: Economy

年収崩壊時代を勝ち抜く方法 やめる (森永卓郎)

2004-2009年あたりに書かれた、みんな貧乏になるけど、幸せになるにはどうすんの、という本。この人はずっとこれ言ってますね。

15-20年経って、どうなったか?

現実になった。

まあこの種の本は、時間が経ってから改めて読んでも新規の知見が得られるものではない。あー20年前はこんな感じだったなあ、みたいな感じで読んだ。昭和か、と思えるような記述も…20年って結構長いんだよな。私はどうにか生きてます。

「年収6割でも週休4日」という生き方 (ビル・トッテン)

んなこと言ったってなあ。今の6割じゃ子供を大学にやれないんだよ。

と言いたくなるタイトルだが、会社帰りに通りがかるところにビルがある会社の、名物社長さんが15年前くらいに書いた本。

個人の小規模農業はいいなと思った。ド素人の私から見て、人糞肥料はぎょう虫との関連からやめたほうがいい気がしたが、まあそんなに大きな害でもないのかもしれない。肉に対しては味的な好意を持っているので、自分が肉食をやめるシーンは想像できない。クリーンミートには期待している。

ヤバい決算書 (長谷川正人)

不祥事や社会情勢の変化など、大きなイベントが起きたとき、会社の財務諸表ではどのような影響が見られるのか、分析を加える本。財務諸表をちゃんと読めば、表に出る前にヤバい会社が分かることもある。

割と面白かったかな。キャッシュフロー計算書って重要とは言うけど、あんまり見てなかったんだよねーこれまで。今後の株式投資の参考にできるかな。まー勤めてる会社がヤバいかどうかの判定は、できるようになるのかもね。

美貌格差 生まれつき不平等の経済学 (ダニエル・S・ ハマーメッシュ)

何気なく書いたと思われる、「差別が社会に利益をもたらすことはない」という言葉が印象に残った。これはブサイクを差別することは許されんよなあ。

美しい人とブサイクな人に関して収入の差があるということを調べ上げて、その上でどうするのか、という本。いろんな要素を排除して、見た目の美しさの要素だけで結構な収入の差が出ているらしい。それで、障碍者を守る制度があるように、いずれブサイクも保護の対象になるのでは、と。

なかなか面白い本だった。文章はやたらに長い。もっと簡潔に伝えられると思う。さっきから何度も同じこと言ってない? って。

会計の世界史 (田中靖浩)

会社の会計の歴史を物語を交えて総覧する本。割といい本を読んだなというのが感想。感動とは遠いが、十分重厚なテーマを十分ライトに語る。そのギャップもいい。

読みやすい文章で世界の経済と文化の歴史が語られていて、まあ単純化されすぎている面はあるのだろうけど、記憶に残りやすいし、悪くないと感じた。ダ・ヴィンチからビートルズまで。技術の進歩、文化の進歩、会計技術の進歩。その全てが人類の歩みを助けたワケだよ。時代と、地理ね。それが世界観というか、世界を認識させてくれるというか。大袈裟に言えば、「目が開いた」って感じがする。それが読書の快感というものだよね。

「学力」の経済学 (中室牧子)

人文系の学問の中で最も信頼できる経済学。経済学って「応用数学」みたいな感じですからねー。その経済学の先生が教育部門を経済学の手法で研究する。アメリカではもう一般的な手法らしい。日本はこの分野で大幅に出遅れている。

かなりの説得力を持っているね。効果のある教育手法を導き出すにはどのように実験し、どのように分析すれば良いのか。ただアメリカの後追いでしかないんだよね。追わないよりはマシだが。日本ってこういう実験をしづらい事情があるんだろうなー。後追いなりに、追いかけて紹介してくれる本って感じかな。