Skip to main content

山椒の実

Category: Crisis

ワン・モア・ヌーク (藤井太洋)

狂人の天才が集まって悪いことをする話…? まあその表現は表現として、面白い話ではあった。主要登場人物がそれぞれ別の思惑を持っているのがいい。それぞれ主役を張れるくらい中身がある。騙し合い、腹の探り合い。その果てにあるものは?

この本を読もうと思ったのは、勤めている会社の近くの地理が出てくるという話を聞いたから。のっけからアラブではあるんだけど、確かに出てきた。なるほどあのへんか。

しかし、事実は小説よりさらに先を行き、東京オリンピック2020はコロナで延期…まるでSFの世界なんだな、我々が生きているのは。

ゴールデンスランバー (伊坂幸太郎)

逃亡者系の小説。なぜか人望がある奴なんだけど、逃げ切れるのか、それとも?

ちょっと都合が良すぎる展開もあるんだけど、それでもなかなかいい感じに読ませてくれる。損得で言えば全員マイナスになってて、大きな謎も残されたまま。ほとんど誰も報われないんだけどね、まあなんだかんだで楽しく読めたから、それでいいか…って感じ。

富士山噴火 (高嶋哲夫)

噴火のクライシス系の小説と言えば「死都日本」。あれは九州の山体崩壊だが、これは富士山。ただ結果だけ見れば九州よりも規模は小さいのかな。それでもかなりのもの。

両方読んだ感じとしては、どちらも自衛隊が噴火対応の装備を持っているというのが前提になっているのが気になるところ。小説の都合で実際は持ってないんだろうとは思うけどね。

あとは記述としてはリアリティはどちらも差はないような気がする。主人公の知り合いしか登場人物に出てこないというのは気になるんだけど(そう都合よく行くわけないよね)。実はこれはシリーズ物で、シリーズの登場人物が普通に出てきていただけらしい。ただこんな災害がシリーズになってたらやばいよね…まあ、暇があったら他のやつも読みます。

死都日本 (石黒耀)

クライシス系の本。火山の破局噴火を扱ったもので、割と話題になっていたと思う。いろいろな部分で示唆的ではある。決してスカッとする話ではないが。

神話の解釈とか国民性みたいなものはうまく書けているし、突拍子もないような内容の部分もすんなり読めた。

実際にこの本では日本がほぼ滅亡する。それどころか北半球が壊滅みたいなレベルで。その中でも主人公(?)が奥さんを助けに行くところなんかもリアルに書いていて、なかなか良かった。しかも時間軸で見るとこれ発生から24時間だもんな。かなり詰め込んだ。がんばった。