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山椒の実

Category: COVID19

コロナに翻弄された家 (末利光)

コロナ初期に妹2人を失った元NHK記者の手記。生々しい話に無念さがにじむ。心情を歌う短歌を散りばめてある。趣味なんだろうな。

ひどかったよな、あの頃。誰も彼も、ただ右往左往するのみで。特に重症化率、死亡率の高かった老人にとってはたまったものではなかったろう。

治療薬については、放っておけば死ぬ&改善の可能性があるかも&副作用が無さそう、という状況なら使ってほしいという心情は理解できる。一方で大きな病院がエビデンスに乏しく保健外になる薬を投与するのが簡単でないのも当然と言える。研究に使うことすらある程度のハードルがある中で、治療に使うとなるとねぇ。

あの頃な (マンボウやしろ)

コロナ小説の頃な。短編集みたいな感じだけど、連続性も多少は…著者は主にラジオの人なのかな。まあ広く浅く、みたいな本だったな。

たとえばこれを10年後に読んだら2020年代前半の空気感が伝わるか、と思うとそんなでもないような。まあそんな感じ。文章は読みやすいけど。

しかしこの心肺停止シリーズ(?)は、どうなんだ。汎用性のあるオチ? 議論の余地がある。

ポストコロナのSF (日本SF作家クラブ編)

COVID-19の存在を前提にしたSF短編集。現代以降の数十年まで、短編という制約がありながら、名品が集まっている。

全体的なできの良し悪しはあったが、中では柴田勝家の「オンライン福男」が良かったな。世界設定もオチも良くできていて、さすがの実力を感じさせてくれる。

ゲーム・ネットの世界から離れられない子どもたち (吉川徹)

児童精神科医による現代の病? についての解説。あまり知見も確立していない分野であることもあり、いろいろなことが羅列されてとっ散らかった印象。つまみ食いして読むことを前提としているのかも?

それでも、大事なことは見えてくる。自分を省みて、考え直させてくれる内容もあった。

最近書かれた本なので、最近の話題にも触れられている。COVID-19の影響であつ森が流行ったとか、そういうの。

自分の子供もゲームは大好きだし、親としてはやりすぎは気になるところ。そもそも子供は約束を守れないものであるという話には感銘を受けた。実際うちでも守れていないが、それに対する怒りは感じる必要のないものだった。男子なら約束したことは実行されたも同然、という感覚があるんだけど、それは大人の男に限定の話だった。…男だの女だの言うと最近は良くないのかな?