自宅の近所に「丸子」という地名があります。そんな奇縁から読むことになったこの有名な旅行記は獄中で作家に語った内容が書物になった…らしい(獄中と言っても犯罪を犯したわけではなく、敵対国の捕虜になった)。だから、現代に起きたことであれば、著者はその作家ということになるだろうか。あるいはスポーツ選手の自伝のようにライター(インタビュアー)の名前は著者としては扱われないのだろうか。まあそんなことはどうでもいい。
Category: Classic
名前と「グレート・ギャツビー」の題名だけ知ってる、昔の有名な作家。
短編集だけど、中ではすごく短い、少年時代の初恋? の相手といい感じにやり取りをした挙句、人違いが分かって拒絶されるやつ(「乗継ぎのための三時間」)が良かったかな。そう来るかー。って。
他のやつはかなりゴニョゴニョ、ナヨナヨしていてイマイチだと思った。しかし、揃いも揃って、誰も幸せにならないのね。そういう作風なんだろうか。
病棟の文通物語。結核で隔離かー。元は新聞小説だったのかな。長い在宅が明けて通勤生活が始まったから、電車でこういうものも読んでいる。
いろいろすったもんだがありつつ、まとめた感じ。分量もちょうどいいし、普通に悪くないのではと。終盤の高速展開は小説っぽい。まあ、小説そのものなんだけどね。人の心の動き。
文通相手の友人が聖人でしたな。
歴史漫談みたいなエッセイ集。著者自体がすでに歴史の中にある。なかなか楽しく読めたな。
しかし吉川英治の作品が無限に無料で読めちゃう時代。なかなかすげーよな。三国志あたり、行きたいところよ。ただあんまり長いのは時間の溶け方がやばすぎるかもなあ。まあ適度な分量のやつから行こうかな。
子供の頃に読んでかなり強烈な印象を受けた怪奇的な小説。青空文庫であったので改めて読んでみた。
子供に読ませていい内容じゃないな。印象に残るのも頷けるくらいには、面白かったけどさ。まー当時、子供向けに少し改変があったのかも。
あとどうでもいいけど、先祖から受け継いだような、結婚前からの資産は共有財産にはならないんじゃないかな。戦前の制度は知らないが。まー妾腹の子の扱いは違ったんだろうな。
もし現代の話だったなら、どう書くだろうか。障碍者の描きかたからして、無理だけど。
国名シリーズにぶっ込んできた非国名ミステリ。著者が気に入っているベスト幾つかに入っていたので、読んでみた。
まあ描写されるアクションやらには不自然さはあるけど、アクション小説じゃないからいいや。のっけからすごい設定と偶然だったけど、なかなか読ませるミステリだった。悪くない。
まあこういうのネタバレしたくないんだけど、これを書かずにおくのは無理かもしれない…序盤の人称への違和感が難しさを増していたかな。犯人の性別がいつ確定したんだと。
関西の文人の晩年を綴った文章。青空文庫で読める。彼は雨月物語が代表作ですね。妙にリアルな記述で、妙に引き寄せられるのは著者の力量か。
なんでこの作品を読もうとしたのか。たまたま読んだ新聞の記事に出てたので、雨月物語を読もうと思ったんですね。だけど青空文庫になかったので、検索で引っかかったこれを。かなり毛色の違った読書体験になりました。そもそも怪談話じゃないじゃん。怪談読もうとして、まさか頑固老人の晩年の日常を読まされるとは。
本に関する名作SFですね。新訳はどうなのか…まあ、詩のような感じで読みにくいのは間違いないな。現代の作家はこうは書かないだろう。読み手がついていけない。今となっては、自分もあんまり好きじゃない話では、あると思った。
現代のスマートフォン社会と分断インターネット・エコーチェンバー世界を予見していた? とも言える記述も流れている。
燃えない家、は良いなあと思った。火事というのは最も身近で、最も恐るべき脅威だ。地震雷火事親父のうち、地震は稀に起きる大災害、雷は室内なら怖くない、火事はとにかくやばい、親父(=自分)はクソ扱い…というね。
ハードSF。火星と地球を舞台にした、対照的な双子の兄弟の話。都合の良すぎる設定もあったが、なかなか良かった。30年前にこれが書かれているとは、すごいな。
ちょっとキャラクターが一方的に過ぎないかな、というのはあったが、ハードなSFとしてはかなり出来が良かった。しかし、この本が書かれた頃も私はSFは少し嗜んでいたはずで…若い頃に読みたかったな。
ホラー系SF。理路整然としていなくて、納得いかない設定が多い。ちょっと自分向きではないな。例えばゾンビ映画みたいなね。ゾンビって設定があるじゃないですか。あんなに伝染しやすく繁栄しか望んでいないのに、動きが鈍すぎるっていう。もうちょっと抜け目ない生物である必要があると思うんだよね。
この小説はそれに近い。まあこの宇宙人は設定がまさにゾンビの亜種みたいな感じだけど、結末までもが納得いかない。この人ただ恐怖小説書きたかったんでしょ、それだけでしょ? っていう印象しか残らなかった。