沢ヤの生態を描く。ワイルドですね。山男のうちで沢登りに魅せられた人種というのは普通とは違った奴らという話。普通は山を目指すところ、沢を目指すわけだ。何度も死にそうになりながら、時にはダラダラしつつ遡行を続ける。そのロマンは伝わってきました。単純に言えば、面白かった。こないだ那智の滝を登って逮捕されて大いに話題になったのもこいつら。やるなぁ(尊敬の念)。
私はアウトドア派ではないこともあって、ゴルジュという単語は初めて聞いた。そこに唐突にストロングスタイルという聞き慣れた言葉が合わさったりする。
沢ヤの生態を描く。ワイルドですね。山男のうちで沢登りに魅せられた人種というのは普通とは違った奴らという話。普通は山を目指すところ、沢を目指すわけだ。何度も死にそうになりながら、時にはダラダラしつつ遡行を続ける。そのロマンは伝わってきました。単純に言えば、面白かった。こないだ那智の滝を登って逮捕されて大いに話題になったのもこいつら。やるなぁ(尊敬の念)。
私はアウトドア派ではないこともあって、ゴルジュという単語は初めて聞いた。そこに唐突にストロングスタイルという聞き慣れた言葉が合わさったりする。
つかこうへいの評伝。つかこうへいの劇団員でライターで今も芝居に関わる仕事をしている著者が丹念に描く。結構長い本でした。
死んでたんですね、つかこうへい。私は芝居やら映像やらは見てないんですが、小説は読んでました。中学時代かな。その頃すでに代表作がいくつもあったと記憶している。そんなんで、私には小説家という印象しかないんです。何かの小説で早稲田のラグビー部と試合をすることになった主人公がボロボロになりつつ「オラァ、慶應よ」と啖呵を切るセリフが印象に残っている。あの頃は自分が慶應に行くのかと思ってましたが、自宅から遠いやら何やらで結局、早稲田に行くことに…。そんな私ももう40のオッサンですから、そりゃつかこうへいも死にますよ。
あのルネサーンスの人が波乱に満ちた半生を綴る。相方の樋口との出会いのあたりから先は随分あっさり書いてる。
その生い立ちは凄まじい。朝顔の話とか、ランドセルの話とかはとにかく凄い。まあでも「盛ってる」感もあるんだけどね。自己分析は割と正当なものかもしれないな。少なくとも間違っているという気はしなかった。頭は良かったんだろう。何が彼をそうさせたのか。慢心、環境の違い…
いわゆる「万引きGメン」のベテランである著者が、老人による万引きの実態について記す。救いのないエピソードも多い。というかほとんど、どのページにも救いなんてない。たまにあることはあるんだけどね。
最後の方の、人生にどうしようもなくなって妻の墓前で自殺することを決めた(という遺書を隠し持っていたことが後で分かる)老人が、手ぶらで墓参りに行けないからとスーパーで花や線香を万引きして、著者に捕まる。そして著者がちょっと目を離したすきに服毒自殺してしまう…という話なんかは、究極の救いのない話。死に場所と決めた亡き妻の墓…そこにすらたどり着けてないんだもん。最後の最後で泥棒になって…名誉なき死…安らかさとは無縁。絶望しかないよ。
デザイナーとして高知の田舎で活躍した人の本。沈下橋が美しい四万十川のあたりを拠点に活躍する。自慢するだけあって良い仕事してますね。そういうデザインもありますよね。私は田舎で育ったこともあるし都会で育ったこともあって、ことさら田舎が良いものとは思わないんだけど、それでも主張してデザインを使って問題を解決していくそのパワーの強さが文中から読み取れる。
さらっと読むと工夫して地方創生がんばってます、みたいな話だけで終わるところだけど、それだけじゃないよね。まあ楽しい本だったよ。
インテルの歴史本。3人(2人+1人)の創業者の系譜をたどる。ショックレー、フェアチャイルドから始まって今に至るまで。
まずこの本は文章量が多い。内容量と比べると文章量が多すぎて、技術者が読むとストレスを感じると思う。たぶん一度に書かれたんじゃなくて、長期連載か別媒体で書かれたものをまとめた、みたいな本なのかもしれないな。何度も同じ話を蒸し返すし、名前の表記も一定していない。時系列も頻繁に前後するし。名前の表記については、グローブの生い立ちからの話で名前が変わるのはわかるんだけど、それ以外のところね。
例の本。Unixの歴史と対立による停滞と…をなぞっていく。
読む人によってポイントが違うんだろうけど、mbufが出てきたところでぐっとこう、懐かしさがね。あったねmbuf。Linuxだとskbuffか。私はそのへんの世界はFreeBSDから入ったクチだけど、今はもうLinuxとMac以外に触ることは珍しい。もう基本ユーザランドだしね。Windowsにはほとんど触らないで生きてけるんだ。
以前に読んだPaul Allenの自伝を思い出したりもした。あとUSENIX FASTでKirk McKusickの受賞演説を聞いたことあるんだぜおれ、ということも思い出したり。いろいろあったんだな。
途中で読むのやめようかと思ったんだけど、結局最後まで読んだ。オッサンには辛いんだよこういうのは。よく書けてるだけにね。映画のほうもかなり話題になっていたけど、なるほどと思わせる。
まあ人名が多くて覚えきれないのは、それはそれで。でも凄く良く書けてるんだよねこれ。高校生の内容のなさとか、内容ってやつへのあこがれみたいなものとか。私は男子校で病気をしつつも最後まで部活はやりましたけど…おまけに不本意なことに大学に入っても同じ競技を続けてしまった…それも不真面目に!
あの家入さんの続編。ロリポップとかペパボの人ね。引きこもりから社長になり、最年少で上場、そして転落。振れ幅の大きい人生を振り返る。絶頂から2年でどん底だもんね。さすがだ。社長時代も打ち合わせブッチとかしまくっていたらしいという。おいおい。
飲食業にのめり込み、ペパボを追い出され、お金に困るようになって、離婚して…しかしこの人の凄いところはやりたいことはやってるんだよね。やはり家入一真。誰よりも繊細で、それでいて破天荒。そんな芸当、この人にしかできないよね。
東京スカイツリーの計画から実際に電波を出すようになるまで、テレビ側の人がテレビの視点で書き記した本。割と面白かった。
東京タワーも似たスキームだったらしいですが、スカイツリーは計画と選定、賃貸による利用がテレビ側、建設と運営が東武(運営は専用に会社を作る)という感じで分担されているらしい。テレビとしては直接建設に関わるわけでもなく、運営に関わるわけでもなく、単に主要な店子の一つ、という立場。ただ計画や場所の選定、役所の認可回りの仕事はテレビ側がやっていたみたい。なるほど、そうなっていたのか…。テレビ側がやると何の変哲もない電波塔になったりとか自社ビルの屋上とかに質素なものを作ってしまうとか何とか。スカイツリーは観光的にも大きな存在になっているからね。