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山椒の実

Category: Books

勲章 知られざる素顔 (栗原 俊雄)

勲章に関する本。なんでこんな本を読もうと思ったんだか思い出せないが、とにかく読んだわけだ。知識はあまり入ってこなかった。

著者としては勲章に対して批判的な考えを持っているのかな。そこはひねくれているとも感じられるが、一定の理もあるなと思った。

つまり、軍人向け・公職向け・一般向けで分けていいんじゃないかと思うね。現状、公職と一般がごちゃ混ぜになっているから問題になる。公務員続けた人と民間で大きな功績があった人ってのは直線上で上下を決めることはできないんじゃないか。軍人にしても同じ。それは交わらない別の軸での評価であって。それから職責の軽重があるが、そこは報酬で報いていると思えば、勲位で差をつける理由がない…んだろうけど、だが総理大臣みたいな人と同じ勲章をもらうわけにはいかんよね、という感じもあるでしょ。職責を超えた率というのがあったとして、その率が勲位の重さに比例すればいい…のかな。

ディス・イズ・ザ・デイ (津村記久子)

サッカーの2部リーグのシーズンを取りまく人間模様のオムニバス。チーム名は架空だが。恋愛だったり、家族だったり、仕事だったり、友人だったり、親戚だったり。現実感がないシーズン展開もあるが、悲喜こもごも。その雰囲気は出ていると思う。

まあ実際はそんなにしょっちゅう旅行できる人ばかりじゃないんだよね。遠出というのは描かれている通り、お金も時間もかかるもので。そこで自分はホームスタジアムの近所に住んだ。アウェイをどうするかって問題は残るんだが。

人殺しの息子と呼ばれて (張江 泰之)

北九州のあの事件の息子との接触、そしてインタビューをTVで放送したテレビマンが、その経緯を本にしたもの。

私はこの番組、見たいと思ってはいた記憶があるが、見なかったんだよなー。なんでかわからん。長時間テレビを見る習慣がなくて、まあサッカーとかバスケの試合は別だけれども、興味を持った番組すらも見てないんだ。どうしたものか…

それはともかく。

この事件の本は以前に読んだことがあるし、似た境遇と言えばオウムの娘の本も読んだ。それに近いテーマの小説も読んだなあと。

考え方としては同じなんだろうな。これは確かに特別な事件ではあるが、特別な事件だからこそ意味を持つのではなく、実は同じ境遇の…犯罪加害者のような、非難の対象となる人物の家族という人は珍しくないはず。割と一般的な話ではあるんだ。そういう境遇というだけで、非難の対象に含まれていいはずがない。特に事件当時子供だったような場合はね。

いじめと探偵 (阿部 泰尚)

子供のいじめの問題で、こじれてしまった場合に頼ることができる存在として、探偵という職業があるようだ。こういうことに探偵が乗り出すというのはしっくりこないんだけど。ちょうど今「仮面ライダーW」をYouTubeで再放送してるしね。

あともう一つ、きっかけとしては、こないだキモい田舎のオッサンに若い女子が殺された事件があったじゃないですか。完全に根拠がないけど、あれって、いじめられてああいう行為を強要されてたんじゃないかっていう気がしたんだよね。それでお金が欲しいというよりも、アレで稼いだお金を渡せないといじめられてしまうので、どうしてもお金をもらう必要があった、という動機であれば割とあるかなと思ったんだよね。それほど不可解な行動をする事件だった、という印象が残って。

美濃牛 (殊能 将之)

鏡の中は日曜日ハサミ男に続いて、同作家の長編を。まあ楽しい。雰囲気も記述の重厚さも良く、登場人物も多いけど個性的で、非常に快適に読めた。

内容に比べて文章が長い、という批判はあったらしい。殺人事件が起きるはずなのに、なかなか一人目が死なないというのはその通りだけど、自分は気にならなかったな。それだけの内容もあったと思うし。

ファクトフルネス (ハンス・ロスリング他)

間違った入力からは間違った出力しか生まれない。…つまり事実を正しく認識することが行動を正しくするための第一歩なんだよね。

私も世界の現状を理解したいと思っているのだが、多くの人は間違った認識を持って話している。どうやって事実にたどり着くのか。それが大きな問題の一つ。そしてバイアスがかかっている情報に接している自分自身によるバイアス。インターネット以前は他者のバイアスに重きがあったが、インターネット以後は自分のバイアスが大きな場所を占めるようになる傾向があるように思います。←これ自体も事実かどうかと言われると心もとないものがありますが。

許せないを許してみる 籠池のおかん「300日」本音獄中記 (籠池諄子)

こういう本好きなんすよねー私。世間を大いに騒がせた、大したことのない事件。何かの間違いで政局になり、異常に長い拘留期間…理不尽の塊のような扱いを投げつけられた夫婦。その夫人の方の手記。形式を見ると、拘置所で書いていた手紙を活字化したみたいですね。なんというか…とにかく素晴らしい出来だった。1月からこいつを読めるとは、今年の読書体験もなかなかのクオリティを保てそうで嬉しいよ。

あー自分としては夫の証人喚問の答弁が立派だった、というあたりで興味を持っただけで、この事件の情報を追いかけていたわけではないです。そんで大枠だけ知って「しょーもない事件の処理を間違えて大騒ぎしてんだな」くらいの感想を持った状態ね。あと帰宅ルートで徒歩で国会前を通った時にデモ隊が大きな音を出していたこと、警備の人に「違うんです! 僕は怪しい者ではないんです!!」と必死で訴えたことを思い出す(←表現に誇張が含まれています)。

二軍監督の仕事 育てるためなら負けてもいい (高津臣吾)

ヤクルト史上最大級のレジェンド、高津臣吾の著書。いまヤクルトの二軍監督をやっている。知らんかった…そしてこの本で二軍監督としてのあり方、考え方を述べている。

正直なところ、心に残るようなものはなかったのだが、安心感は感じた。自分の子供が野球の天才だとして、こういう指導者に預けとけば問題なさそう、といった種類の安心のことね。

大成した選手の育て方の研究なんかもしっかりやっていたりね。育成の失敗例なんかも研究してるんだろうな。傷つけかねないから書かないだけで。それとも失敗例は多すぎていかんか??

ネット狂詩曲 (劉 震雲)

中国というちょっと特殊なネット環境にある国家の中で、ネット上で話題になった事件を集めてつなげた小説。割と楽しめた。

まあ現代にもなってすごい世界もあったもんだね、という気持ちになる。序盤は翻訳の問題か著者の問題か、説明的な文章が並んでいて文章力に不安を感じてしまったが、後半はかなり良くなった。

中国語と日本語で共通の言葉があるんだけど、言葉のニュアンスはかなり違うものがあるんだね、とも。「矛盾」とかね。

たぶん中国本土では「あーあの事件か」ってなって楽しめるものなんだろうと思うけど、日本人にとっては共通の話題ではない。そこに寂しさも感じる。まあ日本でもネット上で話題になった事件って色々あるから、こんな感じでまとめて小説にしてしまう作家が出てくるんじゃないかと思うね。そういうのって割とウケるんじゃないか? しかも新しいネタは次々に出てくるわけで、シリーズものにして楽しんだりさ。