雰囲気のあるハードボイルド系の推理小説。登場人物が多くてついていけないやつだな。もうちょっと減らしてほしい。
まあ、人物の描写も深いし、エピローグもなかなかの切れ味があって、なんかシリーズになるような感じですね。状況よりもキャラクターの描き込みに寄っていて、その種のことが好きな人には、このほうが良いんだろうな。計算されている。まー終盤の相方に関しては少しガッカリしたけど。そういうキャラじゃなくなかった? っていう。
雰囲気のあるハードボイルド系の推理小説。登場人物が多くてついていけないやつだな。もうちょっと減らしてほしい。
まあ、人物の描写も深いし、エピローグもなかなかの切れ味があって、なんかシリーズになるような感じですね。状況よりもキャラクターの描き込みに寄っていて、その種のことが好きな人には、このほうが良いんだろうな。計算されている。まー終盤の相方に関しては少しガッカリしたけど。そういうキャラじゃなくなかった? っていう。
あのグラント・マカリスターをめぐる推理小説。罪深い男よ。「あの」って誰だよ…
それはともかく、かなり楽しめたね。非常にこう、工夫が凝らされていて。劇中劇、そして著者グラントへの尋問が連続して。とにかく最後まで目が離せない。読ませる。いやー、いい本を読んだね。どういう頭してたらこういう本を書けるんだろうね。
とりあえずヴァイオリンがとんでもなくセクシーだってことがマン・レイの「アングルのヴァイオリン」を紹介した一節と画像で分かった。なるほど。
それはいいとして、ヴァイオリンという楽器の特質を大いに語ってくれる、大ヴァイオリニストとして歴史に君臨するパガニーニの伝記。真面目な歴史の話でもあるが、記述に勢いがあって面白く読めた。思い入れが強くて知識が豊富な文章ってのは、読んでて面白い。
悪魔云々はどうでもいいけど、健康と衛生の発展というのは人類の歴史にとって非常に重要だということを認識させられたなあ。メチャクチャな医療の時代だったこともあって、信じがたい治療を受け続けた天才が健康を損なって生涯を終えてしまうというのは悲しいよね。もちろん天才でなくても悲しいことだけど。
カンボジアPKOで派遣された文民警察官がポル・ポト派の襲撃により1人死亡した事件。長らく闇に葬られたかのごとく総括もされずにいたが、NHKスペシャルが丹念な取材を元に振り返る。
実に、すごい話だった。生々しい。当時は自衛隊の派遣で揉めていたわけだが、その政治的な思惑のせいで非現実的なルールの下で装備万全(…だったのかは不明)の軍人は最も安全な場所に固まって働き、丸腰の文民が少人数に分散され、乏しい物資と共に最も危険な場所で働く。そして宿舎の爆破を含む幾度にも渡る攻撃を受けつつ任務をこなし、、、そして起こった悲劇。襲撃の様子も現実的に迫力があって、当時のポル・ポト派幹部とのやり取りもすごい。
ふざけた推理小説の短編シリーズ集? なんでこれ読もうと思った…
のっけから親方の娘のツインテール女子高生とか言い出してたので「こいつやべーな」と思ったが、まあ途中からは外見描写が皆無になりつつ、割とまともではある状態に。推理小説をたくさん読みすぎてしまった人向けの、ライトな推理風小説、といったところか。ギュイーン! 最初の雷電の話とか料理回なんかは推理小説とは言えないと、思うが。ギュイーン!
1作目の『大相撲殺人事件』のほうを読むかどうかは、ちょっと迷っている。もうちょっと名作推理小説を嗜んでからのほうがいいような気がするね。私はまだ「読みすぎた」とは言えない状態なのでね。
高校の頃、推理小説が好きな同級生が語ってくれた、この作家のやつを読んどけば間違いないという扱いの著者を示すリストの筆頭にエラリイ・クイーンがいた。当時すでに古典。それから20年以上の時を経た今、読んで、どう感じるのか。
まあその20年以上の間、私はあまり網羅的には読まずにつまみ食いで推理小説の読書を嗜んでいたわけだが、エラリイ・クイーンのこの本の新訳版が出てた。ので、興味を引いて読むことに。
謎に迫る手がかりに全く手がかからず、全く進展のない展開がひたすら進み、読者も登場人物もフラストレーションを溜めていく。ジリジリしつつ、最後はうまいこと収めた? いやオレは収まってないと思うけどね。
お笑い芸人のほのぼのエッセイ集(?)のようなもの。
まああんまり印象に残る話は少ないかな…葬式の話と、相方への評価のところは残ったか。日常の一コマとは言いつつ、引きつけるところは引きつけ、ダラダラならないようにしてあって、割と文章は上手いと思う。
ただ自分が悪いんだけど、私の最近のお笑い芸人に関する知識が絶望的なので…まあお笑いのことはあんまり書いてないから、どこかで芸人やってる人が書いた文章、という読み方でも全く問題なく読めた。そのへんの構成も上手いと思った。熱のあるファンにとっては物足りないのかもしれないが、おそらく私のような世情に疎い読者をターゲットにして書いているのではないか?
日本の司法の闇を知り尽くした法律家が、その闇の闇たる部分を解説した書。なかなかすごい。読んで良かった。人質司法というのは、身体拘束をするかしないかを決められる権限を使って不利益を受け入れさせることを迫るという構造を指している。実際自白せずに保釈されるケースは異常に少ないらしい。まあ自白したからって保釈が認められるとは限らないみたいだけどね。
ひとたび被疑者となったら、何の武器も防具もなし、スッピンで戦わなくてはならないのか。恐ろしいな。まあ、これが「中世」と表現される状況なんだなあ。その異常性を認識しない市民が多いというのも違和感があるよね。なんかの術にかかってるのか?
なんて言うのかな、SFというジャンルでいいんだろうか。SFベースの、ふざけた文章。人気あるんだろうか。
短編集だけど、この中では『闇』が良かったかな。まあ謎という謎が何も解き明かされずに雰囲気だけで終わるんだけど。ただまあ、この路線で長続きすることはないような気も…軽い気持ちでサクッと文章を読みたい時にはいいかもしれない。
余談になってしまうがタイトルの元ネタはディックの小説で、私は若かりし頃P.K.ディックが好きだった。ディックの小説に出てきたフレーズを長めのパスフレーズとして使っていた時期もある。そこでディックがよく扱ったテーマがベースにあるのかも、と思ってこの本を読み始めたわけだが、全くそんなことはなかった。
あの名作『火星の人』のアンディウィアーの第二作。それだけで読まずにはいられない。出来はどうか。
月面基地観光都市での大立ち回り劇…という表現が適当だろうか? 映像化を意識しすぎかなーと思った。説明が多いのも気になった。まあ説明は必要だよ? だけど、分量が。あとは現実感が少ないかな。
最後あの状況で誰も死なないなんてことがあるんだろうか? 子供や病気持ちだっているだろうし。