捨て犬を飼って代々世話をしてきた高校生たちを描いた、連作青春小説。あんまりこういうのは好みじゃないんだよねー、と思いながらも最後まで読んでしまった。読んだ挙句、「たまにはこういうのもいいかも」なんて思ってしまったりして。
自分は男子校で陰キャだったから、あんましこういう青春は送ってこなかったなー。
捨て犬を飼って代々世話をしてきた高校生たちを描いた、連作青春小説。あんまりこういうのは好みじゃないんだよねー、と思いながらも最後まで読んでしまった。読んだ挙句、「たまにはこういうのもいいかも」なんて思ってしまったりして。
自分は男子校で陰キャだったから、あんましこういう青春は送ってこなかったなー。
国名シリーズにぶっ込んできた非国名ミステリ。著者が気に入っているベスト幾つかに入っていたので、読んでみた。
まあ描写されるアクションやらには不自然さはあるけど、アクション小説じゃないからいいや。のっけからすごい設定と偶然だったけど、なかなか読ませるミステリだった。悪くない。
まあこういうのネタバレしたくないんだけど、これを書かずにおくのは無理かもしれない…序盤の人称への違和感が難しさを増していたかな。犯人の性別がいつ確定したんだと。
寓話か? と思いきや、もっと単純なハートウォーミングストーリー? だった。
得体の知れない、どんなことでも極められる顔のない男が主人公で、人語を操る異世界のネズミを相棒に起用。ロリコン教師の婚約者の謎めいた美女…設定書類だけ見れば、ホラーか。力石の亡霊がマンモス西に取り憑いてジョーを苦しめる、みたいなことを思わせる描写も。こえー。
この設定でよくハートウォーミングに仕上げたなー。それが小説家の力量か。
現代の奇書を読みたければコレ! 決定版かもしれない。地底人に関する本格的な書籍? かなり真面目だ。序盤の都市の地下に関する章が特に良かった。途中でスピリチュアルな方面に行こうとしてしまうのはちょっと脱線した感じがある。ニューヨークやパリの地下世界はすごいな。そして地下に魅せられた趣味人? みたいな集団がいたり。東京にもいるんだろうか。いたらいたで、面白いだろうな。
貧民が地下で暮らす、みたいな話も思い出したりした。安全度が地上より高いとは思えないんだけど、自然環境の影響を受けにくいという利点はあるのかもしれない。
いかにも元官僚? 言葉遊びが好きな感じの元警察官僚が書いた、職務質問に関する本。「廬でご隠居が書いている自己満足文」みたいな感じの文体なので、読みづらいよ。この文体なら個人ブログにでも書いとけという気が。内容は悪くないにしても。流石に途中で苦痛を感じて最後まで読めなかった。よく本にしたな…
職質というのはたまに物議を醸す、なんの証拠もないし事件捜査でもないけど見た目が怪しいんで調べさせてもらいたいです、というアレですね。以前に元国家公安委員長かなんかが引っかかってトラブルになった気が。その話も、このくねくねした文体で書いてありました。
奴隷に関する歴史を記した本。すごい内容だった。
昔のヨーロッパのキリスト教エリアから見た世界(四方をイスラム教徒に囲まれている感じ)とか、割と「そう思って見てなかったな」と思わせるような記述も多い。そして奴隷船だよ。すごいなこれ。まず数がすごい。扱いも酷い。酷くない部分がない。奴隷船で調達するために現地で内戦を起こさせておいて、戦争捕虜の奴隷を引き取っていくとかね。連れて行かれる航海中の死亡率も高い。人間ってなんでこうなんだろう。
後醍醐天皇の建武の頃に暴れ回った、北条氏の残党のヒーロー。若かったんですね。というか子供じゃないですか。
この頃の話ってややこしいから好まれていないのかとも思ったけど、戦国時代とかと比べるとややこしさは少ないんじゃないかって気がした。あとは、単純に史料があまり残ってないから、真相があやふやである、という説も。
結論としては、足利氏の戦力が強すぎたのかなあ…
大正期の大災害、関東大震災のときに起きた流言飛語によって引き起こされた朝鮮人虐殺を記した本。どういうメカニズムでそれが起きたのか、どうすることで防げるのかに興味があったわけだ。まーしかし読み進めるのも辛い、憂鬱ですごい話だった。しかし大正期か。あの頃で、こんな事実が許されるのか? 警察や軍も率先してやってたなんて。最終的には自警団が勝手にやったことにして全部なすりつけたの? 酷さ醜さが凝縮されている。
阪神淡路でも東日本大震災でも悲劇はあったと思うけど、関東大震災の時のようなことはだいぶ防げたんじゃないかと思った。自国民に退避を呼びかけていた国もあったよね。そういうのともリンクした。力のある国の人だと、だいぶ守られてるんだろうな。実際のところは技術…耐震設備の向上によって救われた命も多かったろうけど、人間の意識も進歩している。我々の子供の世代にはもっと進歩が進んでいるだろうか。
なんかすごい本。歴代の全天皇とその皇位継承がどうなされたのか、全部やっていく。その血塗られた(?)歴史。自分は南北朝とかよく分からなかったんだけど、理解できてきた。結末は謎だが…南朝が勝ったと思いきや、統一した時に北朝が勝ったの? まあ結局両方とも武家に負けた形になったという感じか。戦争で決着をつけようとすれば、そうなるよね。
外戚と院政についてはなんというか、すごいなという他ない。このパワーバランスがためらいもなく続けられるというのはちょっと理解できなかった。今の価値観だと、ネガティブな印象しか残らないな。
関西の文人の晩年を綴った文章。青空文庫で読める。彼は雨月物語が代表作ですね。妙にリアルな記述で、妙に引き寄せられるのは著者の力量か。
なんでこの作品を読もうとしたのか。たまたま読んだ新聞の記事に出てたので、雨月物語を読もうと思ったんですね。だけど青空文庫になかったので、検索で引っかかったこれを。かなり毛色の違った読書体験になりました。そもそも怪談話じゃないじゃん。怪談読もうとして、まさか頑固老人の晩年の日常を読まされるとは。