医療ミステリ? という区分でいいのかな。診断をつけて事件を解決していく。主人公の視点がなくて、周囲の医師が謎を解こうとしていい線いくんだけど、最終的には主人公が解決してしまうという。
専門用語は分からないながらも、練られている感がしっかりあって、論理も理解できる。だから読む楽しさがある。かなりの良作だった。
医療ミステリ? という区分でいいのかな。診断をつけて事件を解決していく。主人公の視点がなくて、周囲の医師が謎を解こうとしていい線いくんだけど、最終的には主人公が解決してしまうという。
専門用語は分からないながらも、練られている感がしっかりあって、論理も理解できる。だから読む楽しさがある。かなりの良作だった。
ファミコンについて語る本。ハードの特徴から始まって、そのハードで戦うためのソフトの作り。当然だが、今考えると凄い世界だよね。計算機の技術が進んで、いい世の中になったものだよ。開発者にとっても、利用者にとっても。
内容は昔の計算機に明るくない人でもわかるように書いてある。実際に対象読者に理解できるかどうかは不明だが、変なことは書いてないように思えた。
自分のことを言えば、小学生時代にFamilyBasicに触れたことが今の仕事(ソフトウェアの開発者)に進む最初のきっかけになった。そのため、この本の内容にはいろいろと懐かしく思う部分が多かった。
日本で育った台湾人の作家が、自分を取り巻く言語について経験と思索を綴っていく。自身の日本語、親世代の台湾語と中国語のちゃんぽん。中国語も、北京語と台湾で違いがある。複雑でないところまで複雑になってしまう歴史と政治事情。台湾ならでは、この時代ならでは、みたいなところ。世代によっても事情が異なる。稀有なことでもあり、ありふれたことでもある。
話す言語は属する文化とつながっていて、書類上の国籍よりも拘束が強い。そして言葉の使い手が、自分のアイデンティティを母語に求めていく。
ロシアのウクライナ侵攻に伴って行われたサイバー攻撃。クリミア侵攻の時ほどの被害を受けなかったが、その理由を分析し、到来が予測される台湾有事に備えて日本がどのように準備をすべきか。そういう本。
自分も少しだけ関わりのある仕事をしているわけなので、いろいろ考えさせられたよ。すぐそこに準備されている、現実的な脅威。サイバー方面でも、中国はロシアよりもだいぶ手強いんじゃないかと思いますね。いやだなー。
観戦のプロを目指しているわけでもないが、技術が上がるなら悪い話ではない。そう思って読み始めたこの本。
図表も分かりやすく、いい本なんじゃないかな。今からは10年前の内容だが、競技の骨格は全く変わってないからね。観戦者としては充分な量の知識だろう。
サッカーやってる子供に読ませたら効果はどうか、なんてことを考えながら読んでいた。手っ取り早く解答を欲しがる子供の特性を考慮すると、悪影響もあるかもしれないねえ。だけど、少しは知識が増えるんじゃないかな。
鎌倉の青少年の小説。ふむふむ。こういうのに感動する年齢を過ぎてしまったのが惜しい。楽しめたけどね。様々な主観が入り乱れながら、成長して見えるものが増えていく様子がいい味を出している。
…と思ったけど、読んだ後で寝る前に色々考えてしまったから、感動したってことなんだろうな。いろんなものを諦めることが成長ではないんだ、と思ったよ。大人側視点だが。成長ってのはもっとこう、アレなんだ。つまりさ。
つまり、成長っていうのは、洗濯物を出すときにポケットを空にすることなんだよ。
SFの短編集。割と優秀なやつだった。巡礼の話とか、あと昔のお話を織り交ぜた話とかも良かったな。飴のやつのほうね。江戸時代の怪談話をこねくり回すやつはあまり好きになれなかった。
全体的に、長さもちょうどいいし、出来もよかった。いいんじゃないかな、うん。
ボディビルに挑んだ女性の物語。別の生き物になりに行く。カッコえー。この充実感と汗と筋肉と…いろんなものを感じる。ラストもカッコいいな。というわけで読後感もすこぶる良さ。これは名作だ。
とにかく突き詰めたカッコ良さのある小説だったよ。
ホラーってこんな感じなんすか。怖いじゃないですか。どうしてくれる。
怪異が怪異を呼び、著者がそれを丁寧に逆向きに辿っていく。ドキュメンタリーの詳細な調査報告のような。こんなリアリティくっつけて、果たして許されるのか。後味がすごい。
SFの短編集。タイトルに反して、ミステリではない。短編といってもかなりしっかり書き込まれていて、ねっとりじっくり読むことができる。少し古い時代で、みんなタバコを吸っている。現代なら、登場人物は理由なくタバコは吸わない。本作では登場人物のほぼ全員が喫煙者だ。
全体的には、道具立てを不条理SFにしただけで、内容自体はすごく内向きというか、登場人物の心理に偏った内容になる。そこは引っかかってしまうよね。独白多すぎでしょ、という。カフカっぽいというか。状況を説明しているようでいて説明していない、現実感の希薄な文章が続く。この作家も相当に孤独なんだろうな、なんて思ったりして。