徒歩旅行。この魅力的な響き。シリーズものではなく、単発で。
いろいろとややこしいことになっているが、結末の説明はスラスラしていたし、ラストは丸く収まるという。…いや、犯人には逃げられてるし、収まってるのか?
徒歩旅行。この魅力的な響き。シリーズものではなく、単発で。
いろいろとややこしいことになっているが、結末の説明はスラスラしていたし、ラストは丸く収まるという。…いや、犯人には逃げられてるし、収まってるのか?
どうせ読んでも孤独だろうが!
自由律俳句をもとにしたエッセイ集。かなり自由奔放に書き散らかしている。これがこの著者の本領か。楽しそうだなおい。郷愁の漂う、子供/学生時代の昔話みたいなのも多い。途中から中央線ポエムみたいになるのはどうかと思った。読む人を選ぶのでは? 私は中央線が実家で故郷だから、対象読者ど真ん中な可能性?
そして基本的に自分しか出てこない。他人が出てきたとして、無駄に他人に気を使って自問自答する自分という構図。これが孤独の側面だ。
屋久島でオカルト。まあオカルト小説はこうなるよなあ、という感じの展開。途中、人名を間違えたのではと思える場所があった。
屋久島の雰囲気を感じられるだろうか。将来行ってみたい島ではある。だがモンスターとの戦闘は俺のビジネスじゃないよなあ?
シリーズ第2作みたいなことがあとがきに書かれていた。意味深なエピソードはそれか。記述は露骨なのに、あとがき読むまで気づかない自分の鈍感さを自覚してしまった。
自宅の近所に「丸子」という地名があります。そんな奇縁から読むことになったこの有名な旅行記は獄中で作家に語った内容が書物になった…らしい(獄中と言っても犯罪を犯したわけではなく、敵対国の捕虜になった)。だから、現代に起きたことであれば、著者はその作家ということになるだろうか。あるいはスポーツ選手の自伝のようにライター(インタビュアー)の名前は著者としては扱われないのだろうか。まあそんなことはどうでもいい。
下町の古本屋を舞台にした連作短編推理小説集。昭和末期くらいかな、文章の空気感がいい味を出す、この著者が好きそうな舞台設計。私も嫌いではない。
犯罪起こりすぎだけどね。推理小説だからしょうがないけど。短編集だからミスリーディングとかはあんまりなくて、少しひねるだけで、ほぼストレートで解決に向かっていく。そこに一家の問題が絡むところで統一感が出ているというか。その問題は、殺人とかと比べると他愛のない話ではあるんだが、当事者にとっては重大。
少年サッカーの現場を取材した本。よく書けてると思います。私も小学生の子供がクラブに所属してるんだが、見聞きしたこととだいたい一致している。関係していないと分からない構造を解き明かしてくれている。価値のある、いい本だよ。著者は学者でもあり、サッカー人でもある。そういう人が書いた本。
ソレッソ熊本。名門クラブですね。こないだ全国大会的な大会で川崎と対戦して勝ってた気がする。出身Jリーガーがいるっていう話だったので調べてみたら、こないだすげーゴールを決めやがった奴も出身者だった。なるほど。全国的にもエース級のクラブ。
なんつーか、小説ってスゴい、と思わずにはいられなかった。村川融マジ村川融。誰だよ。核心人物をほとんど描かずにコレだ。とんでもないな。悪魔的だ。どうなってんだ、おい。
おそらく村川融自身は、他人から見た人物とは全然違う中身なんだろうな。鋼のような男も実は小心者、みたいな。そこは描かずに、我々の想像に任せてくれている。
こういう小説を読むと、どんどん次も読みたくなってくるんだよね。困ったもんだ。中毒性がある。この凄まじい技巧で紡ぎ出される文章を身に纏った登場人物、そしてストーリー。あまりのことにこっちの語彙力がなくなっていく。まるでミルクを飲み続ける赤子のように、我々は文章を読み続けるしかないのだ。
センダイガールズプロレスリング社長のレスラーが、これまでの歩みをつづった本。勢いがあって良かった。夢を追い、現実で戦った、激動の人生。失敗と気づき、そして成長。爽やかな振り返り。輝ける主人公は、こういう人間でないと。
成長の過程で傷つけてダメにした相手もいたんだろうけど、こうやって実績を積んで経験を還元できるのはいいことだよね。
ワクワク伝説ってのがあったんですね。楽しい語感だなずいぶん。日本と共にジャワ島にも黄金伝説があったとは知らなかったな。いろいろ楽しい歴史の本だった。奥州の金が尽きて銀山が発見され、黄金の国から銀の国になったとか。カネの匂いがする史実って、なかなかいいもんだなあ。
金銀島の探索あたりは資料も多く残っているみたいで臨場感がある内容だった。思いがけず北海道の話か続いたのも印象的。砂金でゴールドラッシュの頃があったんだな。
タイトル通りの本。元はコンピュータサイエンス系の人なんですねー。次々に雑学が繰り広げられる面白さはあるが、実用性は…あるのかなコレ? 使いたいと思えるものが、あったとしても長くて覚えられなかった。
この人の雑学力がすごいのは確かで、読書量と理解力に秀でたものがあるんだろう。しかし教養悪口で食っていけるプロフェッショナルがいるなんて、世界は広いなあ。