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山椒の実

Category: Books

さかなクンの一魚一会 (さかなクン)

昨年、館山に行ったときにさかなクンの展示があったんです。無料だったので入って鑑賞させてもらいまして、なかなか楽しかった。いいモノを見せていただいたと。それでこの本を読むことにした。館山在住なんですね。いいところだ。

しかし魚屋とか寿司屋、水族館とか魚に関する職業も一通り試して向いてなかったなんて、意外だったな。魚に関してはスーパー高校生だったのに、魚のことにしか興味を持たず勉強してなかったから魚系の大学も行けなかったなんていう話も。

宇宙に花火を。 (松井尚斗)

YouTuberの、YouTuberによる、YouTuberのための小説。まーそれだけなんだけど、なんで見たこともないYouTuberの本をオレは読んでいるのか…視聴者でない一般人中年男性が読むに耐える内容なのか。

…と思っていたけど、読んでみると、なかなかいい小説を書くじゃないですか。すごい。普通に引き込まれて眠れずに一気に読んでしまった。思った以上に心が動かされた。こういう本を読むのは気分がいい。

それにしても、GWなのに、読み急いだなー。ペース配分をちょっと反省するくらいに読んでしまった。残り時間は何を読めばよいのやら。

思考のトラップ (デイヴィッド・マクレイニー)

31,32,33のカタルシス、誤情報効果、同調あたりが印象的だった。

フラストレーションは無理に発散させないほうが消えやすい。そうだったのねー。台パンして何かが収まるわけではない。無意識に嘘の記憶を作ったり、権威に良心が負けたりする。

…というように、心理学上のいろいろな意外な挙動を説明していくのだが、似たような話も多くて、けっこう重複してるんじゃないかと思った。48は分類にしては多かった。しかし、自分の心ほど信用できないものもないね。

司政官 全短編 (眉村卓)

短編集ですよ。時系列で並んでいる感じで、作中世界の変遷が感じられる。楽しくも、物悲しい。それぞれの話の長さが、ちょうどいいように思った。

最初の方の話が良かったな。後半はだんだんキツくなってくので。

無理を押し通して、それを続けることはできないんだよねぇ。

消滅の光輪 (眉村卓)

司政官シリーズの長編。少ないイベント、長い独白、限られた人々との会話。

このシリーズ初めて読みましたが、面白さはありました。設定も魅力がある。ただ、思考をたどる文体がどうも気にかかるという面があるかな。短編の方が楽しめるんじゃないかと思う。

エクソダス症候群 (宮内悠介)

鬱のようなものが薬によって克服、根絶された世界で、精神科医が…というSF。それでも減らない自殺率。舞台がいいですね。火星唯一の精神病院。これだよ、これ。本格的な書き込み情報量、不安定な主人公、人類の精神病治療の歴史をなぞり、そして…

いいSFを読めて、気分がいいよ。こういう本を読みたかったんだよ。

これが本当の「忠臣蔵」赤穂浪士討ち入り事件の真相 (山本博文)

浪人繋がりということで、日本史上で最も有名な浪人たちの本も読んでおこうと。

資料をもとに、あの事件を解き明かす。私は昔住んでいた場所が大石の基地や吉良の領地に近かったりするんで、何かと気になる事件ではあった。創作が氾濫して久しい状況で、創作と史実を分類して評価を加える。

よくまとまっていたと思います。当時の武士の価値観も理解が進んだ。喧嘩両成敗。

やはりこれは浅野が悪いな。その短慮に加えて、斬りつけておいて殺害できない不始末。せめてもう一太刀! それで家来に命賭けさしてケツを拭いてもらうなんて。それはともかく、浪士の立場による考え方の違いとか、吉良の若旦那の評価とかね。立派なやつも報われない。そんな世の中。

自分の中に毒を持て (岡本太郎)

言いたいことも言えないこんな…

川崎が誇る伝説の一人、岡本太郎。その代表著書の新装版の文庫を読んでみた。実績上、どうしてもアーティストという立場が強調されがちだが、彼に関しては思想家でもあるのだ。芸術ってこういうことなんだよなー。

なかなかいいことが書いてある。この人の文章は常に本気だし、小賢しくなくていいよ。芸術ってのはこうじゃなくちゃね。

こういうマジな本は知恵を持ち始めてひねくれたティーンエイジャーに読ませたいな。自分も読んで良かったと思う。そして真似して妙なことをし始めたら、その時は温かく見守りたい。

消え失せた密画 (エーリヒ・ケストナー)

ドイツの肉屋がデンマークで戦う。少年向けのような内容だが、主人公が間の抜けた肉屋のオヤジだからなあ。登場人物それぞれキャラは立っているし話は面白かったが、チグハグさは否めないな。ラストの展開も怒涛。

小道具の密画というのも良かった。高価っぽくて取り回しが良い。偽物の準備も万端で、物語もテンポが良くて引き込まれるし、電車の中の暇つぶしに読むのには手頃だった。

と言ったように、全体的には楽しく読めた、良い作品だった。

浪人回避大全 (濱井正吾)

9浪したという著者が教訓を語る。

多浪と聞いて感じるイメージと実際のものは異なるんだな。最初の著者の浪人年表を見て思う。この人は凄い。本物というか、浪人であって浪人でない、勇者とかヒーローの類の人物だ。

仮面浪人も、自分が見たことのある仮面浪人はすぐに大学来なくなったのでそういう感じかと思っていたのだが、ちゃんと単位とって卒業、就職までしてるんですね。編入試験受けて名の通った大学に移ったり。そして働いて学費を稼ぎながら勉強してさらに上の大学を受けると。それが浪人だと言われても、確かに受験を目指して勉強はしているから浪人なんだろうけど…