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山椒の実

Category: Biography

安売り王一代 私の「ドン・キホーテ」人生 (安田 隆夫)

ドンキの創業者が引退に際して語る、その物語。割と楽しく読めると思う。まあ若い頃の麻雀の話とかも交えつつね。

ナイトマーケットの発見、深夜営業に圧縮陳列にPOP洪水でアミューズメント性が高い店作り。どうにもうまくいかないので権限を部下に委譲してゲームのように競わせてみたら好転したらしい。長崎屋を買収したのがドンキだったというのは意識してなかったな。あんまりドンキ行かないんだよねおれは。最後に行ったのはいつだったか…そういう、俺みたいなファミリー層向けの店舗も出しているみたいだ。

熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録 (井川 意高)

あの100億スッて伝説になった不死身のギャンブラー、大王製紙の会長が書いた懺悔録(?)。懺悔録とは言ってもあんまり反省してない。正直そんなに悪いことしたわけじゃないと本人も思ってるだろうし、実際私も金持ちがギャンブルでスるというのは特段悪いこととは言えないと思うよ。

まあ100億という金額はスッた額で、自身が過半の株式を持つ子会社の余剰資金を借りたカネの総額は85億とかそのくらい。明るみに出た時点での残債は55億くらいだったらしいが。で、100億で何をしたかって、マカオに毎週末もうでてバカラに明け暮れていただけ、というね。ホント、他愛もない。摘発されたってゆうけど、それ悪事なの? っていうね。

真相 マイク・タイソン自伝 (マイク・タイソン)

あのマイク・タイソンの自伝。それはハチャメチャですね。すごい本だった。とにかくスゴイ。この本はみんな読むべき。人生のバイブル? にしてもいいくらいだった。私は図書館で借りたんだけど、これ買って繰り返し読んだほうがいい気がする。

臆病さを隠すために闘争心を植え付けられたボクシングの天才。師の死とともに糸の切れたタコのように制御不能な凄まじい人生を生きる。内面の成長が途中で止まってしまったまま手に入れた名声。稼いだカネを余すところなく搾取され続けて…ニーチェとか読みながらボクシングやってた十代の青年がですよ。

教誨師 (堀川惠子)

浄土真宗の僧侶、渡邉さんの半生を描いた伝記。彼は広島で被曝、長じて東京で僧侶となってから長期間、死刑囚の教誨師として過ごした。途中アル中になったりして。

救いとは何か? という話ですよね。結局そこ。そこに、死刑囚であるが故に、という話がからむ。まあ、読んでみるといいですよ。

カワサキ・キッド(東山紀之)

カワサキ・ディープサウスの話で、少年隊・東山紀之の自伝。「○○ったらない」のような表現を多用して、素直に感動したことを書き連ねる形。けっこうドラマチックな半生だったのね。個々の話が読みやすいし、けっこう面白かった。

彼がディープサウス民とは知りませんでした。しかも桜本のコリアタウンなんてまさにスラム街の中のスラム街。そのへんに死体が転がっているのが日常というイメージ。まあ東京者からすると川崎市自体が全部、足立区並のスラム街なんですが、川崎の中でも南部はその中心、公害もひどくてまあ、言っちゃ悪いがまともな人の住む場所ではない。さらにディープサウスともなると訪れるだけでかなりの勇気を要する。武装したボディガードを雇わずに行く気にはなれないような、ね。ニンジャスレイヤーでも「タマ・リバーを渡るとき、全ての希望を捨てよ」というアレ。絶望の橋ですよ絶望の橋。実際はそこまでひどくはないはずなんだけど、近場だけどちょっと気軽に行ける場所ではないですよね。

漂流者(マック鈴木)

マック鈴木の自叙伝。言ってみればそれだけの本なのだが、いろいろな経験を積んだ人らしく、なかなか読ませるものがある。今は淡路島でジムをやったり、野球に関わるアクティビティに関わって暮らしているらしい。

なんとなく、高校野球である程度は活躍してたのかなぁと思っていたけど、強豪校(ぐぐると滝川二らしい)で注目はされてたけど、1年で問題を起こしまくって中退してたんですね。で、アメリカに追い出されて野球チームの雑用係をやっていたと。そこからメジャーリーグにのし上がるんだから、まあ大したもんではあります。ただ怪我の影響があって投球の出来は常に不本意ではあったようだ。

ぼくとビル・ゲイツとマイクロソフト(ポール・アレン)

マイクロソフトの共同創設者、ポール・アレンの自伝。ビル・ゲイツを説き伏せてマイクロソフトを作り、仲違いして追われ、しかし巨万の富で充実した人生を送っている。ああ、仲違いと言っても今は普通に和解しているそうです。まさしく「金持ちケンカせず」ですな。

当時のことはいろいろ言われている。IBMやCP/Mのあたりとかね。この本は当事者としては申し分のない人が書いているから、かなり真実に近いんだろう。そしてマイクロソフトがなぜここまで大きくなったのか? それは技術的にも計算機の発展的にも必然だったということが丁寧に説明されている。要は自分がそれを見通したのだ、という自慢ですね。

独白

フランス代表で監督をしていたドメネクの本。経歴としては2大会連続で代表をワールドカップに導き、1度はジダンを擁して決勝まで行った(決勝はあの頭突き事件のアレ)というなかなかのもので、しかし最終的にチームは崩壊し、ワールドカップ中に選手に練習をボイコットされる羽目になるほど醜態を晒すことになった。つまり評価は低い。今はもう引退の身?

ありゃ確かにスゴイ話だったよね。つーか普通に考えれば単に誇りを持たずに出てきちゃった選手が悪いだけなんだが。