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山椒の実

Category: Biography

組長の妻、はじめます。女ギャング亜弓姐さんの超ワル人生懺悔録 (廣末 登)

関西の女ギャングの半生をつづった本。まあテンポも良くて読みやすい本だったと思うよ。なんというか…GTAな人生って言えばいいのかな。

組長の妻、を前面に押し出したタイトルは内容とは乖離がある。これは組長の妻の話などではない。確かに最終的には旦那が組長になったんだけど、一人の女ギャングの話。悪事としては覚醒剤と車泥棒がメインで、多くの手下を使って手広くやっていたような記述。社会にとっては迷惑な話ではあるが、それなりに、一定の役割があったんではないだろうか。

私がベアリングス銀行をつぶした (ニック・リーソン)

デリバティブ取引に莫大な額を突っ込んだ不死身のギャンブラー、あの伝説のニック・リーソンがその一部始終を書いた本。たった一人で200年以上続いた名門銀行を潰す! この人はシンガポールから日経平均に突っ込んだという変わり種? 途中からは市場規模に対してポジションが大きくなりすぎて破綻。大和銀行でやっぱり同じようなことに陥った人もいましたね。

しかしこの銀行には無責任の塊のような奴らが集まっていたんですねー。この人自身も相当なものだ。なんせ、願望だけで莫大な資金を賭け続けるんだから。しかも酔っ払いながらね。そこはもうちょっと勉強しようよ。最初は部下の失敗を誤魔化してあげていたという事情らしいが。

三流 (長嶋一茂)

言わずと知れた長嶋茂雄、その人の息子である一茂へのインタビューを本にしたもの。こういうのの著者を一茂の名前にしてしまうのはちょっとどうかと思うよ。まあスポーツ選手の本は多くがそうなんだけどね。

で、一茂だ。親があの人で、恵まれた体格と筋力。イージーモード設定の人生なんだけど、彼は親父を目指してしまった。本人がいみじくも言うように、父親のようになりたい、という平凡な夢はまるで太陽に挑むようなものだったワケで、これは流石にハードモードでしょう。どんな神がかった素質があったところで、長嶋茂雄を超えられるなんてことは…

人生を変えてくれたペンギン (トム・ミッチェル)

私はこういう冒険系の人が書いた本って結構好きなんですよねー。

1970年代にタンカー事故で原油まみれになったペンギン(ファン・サルバドール/ファン・サルバド)を助けた著者が、ペンギンと過ごした当時の日々を綴った作品。

実話なんで終わり方は伏線もなくて唐突なんだけど、なかなか読ませてくれた。時代も感じさせる。イラストもいいですね。

東大卒プロゲーマー (ときど)

格ゲーの達人・プロであるときどがその半生をつづる。先日劇的な優勝を飾ったらしく、話題にもなりました。私は格ゲーは嗜まないんですけど、読んでみた。

なかなか良かった。情熱ね。自分に情熱は足りているか、子供たちはどうだ、と思いを馳せる。ウメハラの本も読みたくなったよ。まあ本人が言うように周りの人に恵まれたというのもあるんだろうけど、この人は能力が高いんだよね。

ある事件で研究者に情熱を持てなくなって大学院を去るところは残念に思った。それなりに優秀で情熱を持って成果を上げたが、研究ではなく試験で蹴落とされたっていうね。院試ってのがあるんですね。私は早稲田ですが同じ研究室に上がるときは試験というのはなくて、学部の成績で落とされたり、合わなくて移籍することはあったかもしれないけど、普通はフリーパスでした。東大は確かに院試があるって話は聞きましたね。

止まった時計 麻原彰晃の三女・アーチャリーの手記 (松本 麗華)

あのアーチャリーの半生をつづった自伝。この人の人生もかなりのハードモードですね。本自体はなかなか良かった。当事者の文章から、真実をどう読み取るか。

まーどうしてもこの人に何らかの責を負わせたい人がいるってことは知っているが、理性で考えてみようよ。当時年端もゆかぬいたずら少女に何ができたのか。そして、この人にしか見えなかった景色がこの自伝によって明らかになる。

度重なる入学拒否にめげず、裁判を起こして大学卒業までこぎつけた根性には恐れ入るよね。そして母親はクソだな。

徳は孤ならず 日本サッカーの育将 今西和男 (木村 元彦)

Jリーグにいるじゃないですか、広島系の優秀な人物たちが。川崎(フロンターレ)が最近までお世話になっていた風間さんとかもそう。

この、東京圏でも大阪圏でもなく、広島。割と多いんです。しかし、なぜ広島なのか? そのルーツとなった人物の伝記。著者があの木村元彦だけあって読み応えも満点で、なおかつ素直に読める。オシム本、我那覇本に引き続いてこれとは…ベストスポーツノンフィクション率が最も高い著者だね。少なくともサッカー系ではぶっちぎりだろう。

確率論を信じて世界50か国のカジノで計8億円を稼いだ僕の人生 (野口 健司)

プロのギャンブラーがカードカウンティングを武器に世界のカジノを荒らし回った話。名前と顔を出して著書を出しているからにはもう引退したんだろうと思ったら、そうでもないらしい。

ギャンブラーが一番恐れるのは出禁になること。出禁になると途端に稼げなくなるってわけ。甘いルール設定の賭場はまだ世界中に残っているらしく、ラスベガスみたいな本場では通用しなくなった手法も通用するとか。

前半生もなかなかのものだが、後半のアフリカや中南米でのギャンブルもかなりグイグイ読ませてくる。確率論ということだとかなり長時間、繰り返し賭け続けなければ儲けは出ないんだろうなぁ。私は飽きやすいからダメだろうな。この人はブラックジャックが本業だけど、小学生時代のビン集めやファミコンゲームの転売、違法コピーなども含めて、波乱万丈? の裏稼業の連続。痛快ですね。人生の参考にはならなさそうだけど、読み物としてはとても面白かった。

ジハーディ・ジョンの生涯 (ロバート バーカイク)

ISの、あの覆面の処刑人、モハメド・エムワジについて記した本。イギリス人ジャーナリストが、エムワジがシリアに渡る以前にインタビューしていたことが分かったので、取材をして本にした。

インタビュー時点のエムワジはイギリスの諜報機関から嫌がらせを受けていて、結婚や就職も邪魔されていた。それで絶望したことも、彼がシリアに渡って処刑人になった一因ではないかという印象を持たせる。実際に多くのムスリムが脅され、スパイとして勧誘されていた/いるようだ。

困難な選択 上 (ヒラリー・クリントン)

活動家、弁護士、知事夫人、大統領夫人(ファーストレディ)、上院議員、国務長官(日本でいう外務大臣)、そして今度はもうじき大統領になろうかというあの人の、国務長官時代のことについて述べた本。民主党の予備選でオバマ現大統領に負けて、国務長官への就任を依頼されそれを受諾してからの激闘の日々…なんだけど。

はっきり言うとつまらない本だった。この人にどの程度の意識があってこの本を書いたのか疑ってしまう。経歴からすると「ガリア戦記」を書いたカエサルと比較されるような立場ですよこの著者。真面目にやれよ。いや、真面目にやりすぎなんだよ。眠くなるよ。