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山椒の実

Category: Biography

わいたこら。 人生を超ポジティブに生きる僕の方法 (新庄剛志)

新庄の自伝。なかなか振れ幅の大きい人生を送っている。ポジティブに書いている…というか口述している。ちょっと無理してんじゃないの、とハラハラする気分にもなりながら読み進めた。

計算し尽くされた野球人生の終わりに、信頼していた人に騙されて20億円を失ったが、それをも楽しむというね。私はあの清原本を読んだ後にこの本を読んだんだけれども、考えてしまうのは「どうしてこうなった清原…」になってしまう。幼少期の境遇はそう変わらんぞ。薬物の有無の問題なのか? 甲子園の有無の問題なのか?? ドラフト1位と5位の差なのか??? 阪神と西武の違い????

清原和博 告白 (清原 和博)

清原のアレね。

ページをめくるたびに気が滅入るのだが、読まずにはいられない。あの清原へのインタビューを長期に渡って重ねた、そういう本。ただ遠くにボールを打ちたかっただけの少年が、どうしてこうなった。

アンサー本を先に読んだのだけども、そこでは対戦相手を太陽のように照らした清原の現在地。今は傷つき弱って、そこからこれまでの人生を振り返る。それは当然のことながら美しいだけの人生ではなく、歪まされ、暗さが支配する洞窟の中にいるかのような。英雄のその後、みたいなね。

知られざる皇室外交 (西川 恵)

天皇が皇太子時代から含めて外国に赴いたり、あるいは客人をもてなしたりする。その中でどのように振る舞ってきたのか、ということを記した本。

まあこれ、すごい話ではあるよね。一人(皇后もだから二人か)の人間にそれをさせて、その上で成り立つものがある。常人にはとても真似できない。

あと、自分も節目節目で短歌でも作ろうって気になるよね。これからスポーツ観戦の感想とか本の感想を書くたびに短歌作るようにしようかな。

心ある人の心を知らぬまま これまで僕は生きてきた

「富士そば」は、なぜアルバイトにボーナスを出すのか (丹 道夫)

誰もが知る「富士そば」の創業者が半生と経営哲学と演歌を語る。

今の会社の最寄駅にも2軒ほどありまして、カツ丼が特に旨いので時たま食べに行っております。もう少し歩くと安いカツ丼屋さんがあったりもするし、新潟系のソースカツ丼と「へぎそば」を食える店があったりもしますが、それでも安くて、勝るとも劣らない出来の富士そばは偉大だと感じている。入りやすいしね。カツ丼オススメですが、今度天ぷらも食うかな、という気になった。

組長の妻、はじめます。女ギャング亜弓姐さんの超ワル人生懺悔録 (廣末 登)

関西の女ギャングの半生をつづった本。まあテンポも良くて読みやすい本だったと思うよ。なんというか…GTAな人生って言えばいいのかな。

組長の妻、を前面に押し出したタイトルは内容とは乖離がある。これは組長の妻の話などではない。確かに最終的には旦那が組長になったんだけど、一人の女ギャングの話。悪事としては覚醒剤と車泥棒がメインで、多くの手下を使って手広くやっていたような記述。社会にとっては迷惑な話ではあるが、それなりに、一定の役割があったんではないだろうか。

私がベアリングス銀行をつぶした (ニック・リーソン)

デリバティブ取引に莫大な額を突っ込んだ不死身のギャンブラー、あの伝説のニック・リーソンがその一部始終を書いた本。たった一人で200年以上続いた名門銀行を潰す! この人はシンガポールから日経平均に突っ込んだという変わり種? 途中からは市場規模に対してポジションが大きくなりすぎて破綻。大和銀行でやっぱり同じようなことに陥った人もいましたね。

しかしこの銀行には無責任の塊のような奴らが集まっていたんですねー。この人自身も相当なものだ。なんせ、願望だけで莫大な資金を賭け続けるんだから。しかも酔っ払いながらね。そこはもうちょっと勉強しようよ。最初は部下の失敗を誤魔化してあげていたという事情らしいが。

三流 (長嶋一茂)

言わずと知れた長嶋茂雄、その人の息子である一茂へのインタビューを本にしたもの。こういうのの著者を一茂の名前にしてしまうのはちょっとどうかと思うよ。まあスポーツ選手の本は多くがそうなんだけどね。

で、一茂だ。親があの人で、恵まれた体格と筋力。イージーモード設定の人生なんだけど、彼は親父を目指してしまった。本人がいみじくも言うように、父親のようになりたい、という平凡な夢はまるで太陽に挑むようなものだったワケで、これは流石にハードモードでしょう。どんな神がかった素質があったところで、長嶋茂雄を超えられるなんてことは…

人生を変えてくれたペンギン (トム・ミッチェル)

私はこういう冒険系の人が書いた本って結構好きなんですよねー。

1970年代にタンカー事故で原油まみれになったペンギン(ファン・サルバドール/ファン・サルバド)を助けた著者が、ペンギンと過ごした当時の日々を綴った作品。

実話なんで終わり方は伏線もなくて唐突なんだけど、なかなか読ませてくれた。時代も感じさせる。イラストもいいですね。

東大卒プロゲーマー (ときど)

格ゲーの達人・プロであるときどがその半生をつづる。先日劇的な優勝を飾ったらしく、話題にもなりました。私は格ゲーは嗜まないんですけど、読んでみた。

なかなか良かった。情熱ね。自分に情熱は足りているか、子供たちはどうだ、と思いを馳せる。ウメハラの本も読みたくなったよ。まあ本人が言うように周りの人に恵まれたというのもあるんだろうけど、この人は能力が高いんだよね。

ある事件で研究者に情熱を持てなくなって大学院を去るところは残念に思った。それなりに優秀で情熱を持って成果を上げたが、研究ではなく試験で蹴落とされたっていうね。院試ってのがあるんですね。私は早稲田ですが同じ研究室に上がるときは試験というのはなくて、学部の成績で落とされたり、合わなくて移籍することはあったかもしれないけど、普通はフリーパスでした。東大は確かに院試があるって話は聞きましたね。

止まった時計 麻原彰晃の三女・アーチャリーの手記 (松本 麗華)

あのアーチャリーの半生をつづった自伝。この人の人生もかなりのハードモードですね。本自体はなかなか良かった。当事者の文章から、真実をどう読み取るか。

まーどうしてもこの人に何らかの責を負わせたい人がいるってことは知っているが、理性で考えてみようよ。当時年端もゆかぬいたずら少女に何ができたのか。そして、この人にしか見えなかった景色がこの自伝によって明らかになる。

度重なる入学拒否にめげず、裁判を起こして大学卒業までこぎつけた根性には恐れ入るよね。そして母親はクソだな。