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山椒の実

Category: AI

脳と人工知能をつないだら、人間の能力はどこまで拡張できるのか (紺野大地・池谷裕二)

脳とAI。1+1は2ではなく、200。つまり10倍だな。

通信方法もいろいろあるみたいだし、ブレイクスルーはいくつか必要だとしても、これは確実にあるな。脳AIの未来が。かなりやばい。こういう分野もあるんだなぁ。

しかし必要なブレイクスルーが多すぎなんじゃないか、という気がしなくもない。自分の生きているうちに間に合うんだろうか。AIだけで突っ走ってシンギュラリティを突き抜けてしまい、人間の脳なんて必要ないよーん、というオチがすぐに思いついてしまう。

教養としてのテクノロジー―AI、仮想通貨、ブロックチェーン (伊藤 穰一, アンドレー・ウール)

クローンと相続とか、さらっと書いてるけど。私のようにのほほんと深い考えもなしに生きてると、こういう本をたまに読むと「何も見えてなかったんだな」と思い知らされることは多いか。

クローンは技術の問題の他に倫理の観点は必要とは言うけど、具体的な設問として提示されるとまた違うよね。人工授精(クローンではない)が認められるなら、人工単性生殖(クローン)が認められる余地はあるのかもしれないが…まだ越えるべき壁があるような?

DEEP THINKING ディープ・シンキング 人工知能の思考を読む (ガルリ・カスパロフ)

あのカスパロフが書いた、AIの本。最近になってAlphaGo事件もあったから、再び脚光を浴びる。幅広く活躍されてますね。私も何となく思っていたことが言語化された面もあり、ディープブルーとの試合やそこに至るまでの道のりが、一方のプレイヤー側の視点で語られる。あまり知られてないよな、この話。単に専用ハードをガリゴリやってパワー勝負でチャンピオンに勝ち、人類が機械に破れた…という物語ではない。我々はそういう印象を持たされてはいるけれども、実は違うんだ。だいたい1年越しの1勝1敗の時点で、IBMが勝ち逃げするために機械をブッ壊してしまったという、割と情けない結末。しかもカスパロフは不利な条件で戦った上に凡ミスで負けてるんで。会話を盗み聞いたり、スパイ的な手段も使ったらしい。

AI vs. 教科書が読めない子どもたち (新井 紀子)

東ロボくんを作っていた数学者が、その狙いとこれから必要になる教育を語る。かなり話題になった本。

まあシンギュラリティは当分来ないよ、というのは実感としてあるんだろう。実際今のニューラルネットワーク系の技術だけで行けると思っている人は少ないとは思うんだよね。シンギュラリティに至るまでにあといくつかのブレイクスルーが必要というのは感覚としてはあり、ただしそのブレイクスルーの数はそろそろ指で数えられるくらいなんじゃないの、という感じでしょ。

シンギュラリティ 人工知能から超知能へ (マレー・シャナハン)

シンギュラリティ(技術的特異点)と呼ばれるものに関する本。AIが人間の脳を越えるという話で、まあ確実に来るであろうし、自分が生きている間に見てみたい、そしてそいつを欺いてみたいものではある。実際のところはどうなのか。まだまだいくつもブレイクスルーが必要。

この本で参照されていた、Googleの人が書いた論文(100万の整然としたデータよりも100億の雑然としたデータの方が良いとかいうもの)を会社でチラッと読んだりもしてみたけど、今の技術ではやはり遠いな、という感じがする。畳み込みニューラルネットワークの全盛期もそう長くは続くまい。実際の人間は100億はおろか100万もの言葉のデータが整理されていなくても、会話に不自由なく詩すら奏でられるわけだし…