算数

今回の新型コロナでどのくらいの被害が生じるか、素人ながら計算しておいた方がいいと思った。現在進行形でもあり、揺れてる数字だよね。重症化率と、死亡率。

これまで報道を見た感じでは、感染した人の2割は放置したら死ぬって感じかな。で、入院して治療を受けても死んでしまうのは3%くらい? もっと大きい数字になってるんじゃないかという話もあり、その辺は曖昧だ。少なくとも、最初の頃の感覚よりも、大きな数字。そして感染力もかなり強い模様。季節性があるのかは分かっていない。

このまま広まっていき、感染するのが日本だとあと3年で3000万人くらいいるとして、3%(避けられない死)は90万人。20%(避けられる死)は600万人と。

自分や身近な人に矢印を向ければ、3%に入るのか、20%に入るのか、それ以外の80%に入るのかは極めて重大な問題ではあるが、ここでは置いておく。

計算上、感染して放置したら死ぬけど入院したら生還するという20%の人のみを考える。600万人それぞれが2週間入院するとすると、3年間で延べ1200万週間、1年あたり400万週間の入院タイムが既存の容量に加算されるという計算。1年は50週間とすると、8万人が同時に要入院状態になる。負荷が平均化できれば、重症者を8万人同時に治療する設備が追加できれば被害を最小化できるという話になる。システムが壊れるか否か、負荷の偏り具合で、被害は90万と600万の間のどこに着地するかが決まるだろう。恐るべき綱渡り。いちいち数字がでかいんだよ。

こんな計算が、先日のエントリで責任官庁を

何百万人もの命を救える(かもしれない)仕事

と評した根拠になっている。まあ、これは技術の進歩がなかった場合の話だよね。ここまでの歴史でひたすら技術を磨き続けてきた我々人類だから、時間を稼いでいる間に誰かが頑張って大仕事をやってのけてくれるんじゃないかというのは、ある。当てにはならないが。

こないだ読んでいた『暴力と不平等の人類史』っていう本があるんだけど、そこに疫病という項目があって、人類を苦しめた疫病の歴史が綴られていた。何度となく襲いかかるペストが最強で、死亡率が高く、人口が大いに減って壊滅的な打撃を受けたらしい。その被害は戦争どころの話じゃなくて、まさに戦慄したよ。そりゃ北里柴三郎が紙幣になるわけだ。作家のルポが紹介されていたけど、その作家は患者の症状や苦しみの様子を描写し、死体が街にゴロゴロしている…みたいなことを書いた後で、結びに自分も息子5人を埋葬したところだ、みたいな絶望的な記述をしていた。ヨーロッパ人が南米を制服できたのはペストを先に経験していたため、という要因もあるっぽいね。先住民の国にペストを持ち込んで、苦しんでバタバタ死んでいる間に戦いを仕掛けてあっさり勝ったとか、それ的な話。なかなか凄い話。世界史の教育ではそこまで習わなかったな。

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