もうすぐ投票日ですね。先日から、衝撃的な予想値が出ています。300議席まで行くとか行かないとか。そこまで行くかどうかは別としても、民主党政権になるのは確実な情勢のようです。
横浜市長選もありますね。川崎も市長の任期がもうすぐなので、11月に選挙をやるはずです。
採点は控えますが、おさらいをしておくと、4年前の前回の選挙は小泉政権が国民の支持を受けて、自民党が大勝しました。参議院で郵政民営化が否決されたのを受けて衆議院を解散して国民の信を問うたという、ある種奇妙な選挙だった。私は郵政(特に銀行と保険の)民営化は合理的だと思ったし今でもそう思っている。それにプライマリバランスは重要ですよ。近年稀にみるくらい、いい線行ってたと思います。
小泉首相の引退以来、安倍首相が健康上の都合で辞任、福田首相が民主党との大連立に頓挫して失脚という流れです。示し合わせたかのようにそれぞれ約1年ずつ、4人で回した形。
「引退」は総裁任期満了&本人の意思で、自分で区切りをつけた。後継者も数人を重要な地位に置いて育て、2/3を持った状態の残り3年で次に渡したわけですから、いい引退だったと思います。2001年からの長期政権で、残した功績は大きいですね。
「辞任」の健康不安はまあ、本人のみに大きな非がある、としか理解しようがない。しかし安倍さんの時代に郵政民営化に反対して自民党を離れた議員を呼び戻したのは印象を悪くしたと思うな。
「失脚」は参議院を野党に握られていたから、衆議院で2/3を持っていたとは言え、円滑に政策を運営するためには大連立は良策だったように思います。成功していたら名首相になれたでしょうが、あっさり潰されて本格的に混迷が始まりました。
麻生首相は解散しても2/3は取れそうもないので、2/3を持っている間に自分の法案を押し通した。政策の実現という点では悪くない策ではあるが、やはり選挙をしたほうが立ち位置が分かって良かったでしょうね。大臣が選挙を見据えてパフォーマンスに走ったのも、序盤に選挙をしなかったため。世界的な経済破綻もタイミング的には悪かった。くだらない批判を許した甘さもある。2/3をもらった選挙の民意を無視するような言動も。
一方の民主党は若い代表の失策後、小沢代表で長いことやってきましたが、西松屋の話で辞任。これは正直、辞任する必要がない、どうでもいい話でしたね。「政治団体の名前を報告しておけばお金出した人までさかのぼれるよね」という法律で、政治団体の名前を報告したら「さかのぼった先の名前を書かないとダメよ」「でも企業の名前は書けないよ」と突然言われた…というバカバカしい話。それで鳩山代表に交代して今に至る、と。私は企業による献金が悪とは思ってませんので、変な制限があるもんだなぁという感想。
…というのがこれまでの流れに対する私の認識です。
宮内(川崎市中原区)は神奈川10区。現職の田中和徳(自民)と元議員の城島光力(民主)の一騎打ちですね。城島氏がリードしているという感触がある。田中氏の配っているビラには確かに危機感があった。しかしまあ、面白味の少ない普通の選挙区だ。基本的には現職は実績を判断し、そうでない候補は主張を判断する。ただ最近はマニフェスト云々で、個人の主張はあまり意味がないのかもね。
城島氏は雇用問題が専門で、民主党でも主要議員の一人だったようです(今はどうか分からないが)。Wikipediaには今の労働契約法の解雇規定(勝手に解雇できない)を認めさせたという武勇伝(?)が乗っていた。ただし最近の興味は雇用ではなく、税金の使い道の監視に向いているように見えます。
私の記憶が確かならば、前回、田中和徳議員は羽田空港の神奈川口構想の推進を重要政策(のひとつ)として引っ提げて当選しました。それ以外の主張はいまいち覚えてない。4年経って進捗を見ると、神奈川県がプッシュしていて、今年の4月にグランドデザインを発表しています。上流案、中流案、下流案があるらしい。
しかしこの資料変ですよね。川崎(川崎駅?)から羽田まで電車で1時間14分かかるのが14分で着くようになると書いてありました。どんなルートで行こうとしてるんでしょう? 今、川崎から羽田まで1時間以上かけて行く人はいません。実際は京急で20分で着きますから、こんな数字を見て納得する人はいません。うちから車で行くなら中原街道~環八、電車なら南武線~京急ですが、グランドデザインPDFの地図を見ると川崎側から行くのはあまり良いルートではなさそうでした。まあでも、川崎港と羽田空港をもう1本道路や貨物線を新設してつなぐというのは悪くない話でしょう。電車は小島新田から天空橋につなげるようなイメージですかね…
話がずれました。
比例も、自民党と民主党の対立軸が基本線ですよね。どちらでもなければ政権選択はせずに小さな政党に入れるという選択肢もある。
自民党と民主党の世界観(?)の違いは大きいという印象を持ってます。おおまかに言うと自民党がトップダウン、民主党がボトムアップという感じ? トップダウンは上から行政、行政関連の団体、大中小企業、人と並んでいて、上から順番にお金や制度を渡していく。団体や企業が儲かれば従業員(人)に金が行き渡る。そして人がお金を使っていろいろなものごとを購入することで経済が回っていく。ボトムアップは逆に人に最初にお金を渡して、人がお金をつかっていろいろなものごとを購入して経済が回っていく。制度にしても、ボトムアップは人に対する制度で、トップダウンは団体や企業に対する制度という感じで。まあ全部が全部そうではないですが。民主党の支援対象はほとんどが下のほう(人や中小企業)で、自民党の支援対象は上のほうです。
お金の例でどっちが優れているかと考えると、原理的には下からのほうかと思う。上からだと中間マージンが取られるし、1順目は消費者による選別を経ないので競争原理が働かない。上のほうなんて結局役人が適当に選ぶだけですよね。だから無駄づかいしていないかという、むなしい監視(城島氏など多数の人がなぜか率先してやりたがっていることです)が必要になる。監視コストもバカにならない。下からなら消費者が良い製品やサービスを選別することで最初から競争原理が働く。
下から行く場合の問題は、、、我々が使うお金は余分があるとだいたいAmazonやAppleに流れますよね。国内を十分回らずに外国の優秀な企業に持っていかれてしまうのはケシカラン話だなぁと。まあでも選別の結果そうなるならしょうがないという気もする。でもAmazonやAppleと頑張って競争すれば勝てるのかと言うとそうも思えず、競争にならないのは問題ですね。過剰に選別を繰り返すと、一極集中に行きついてしまう。
制度に関しては上からのほうが良いかなぁという気がする。人が過ごす環境はやはり社会なので、人を導くには社会を導くのが賢い。
話題の高速道路無料化は、徐々に金持ちは公共交通機関に乗って、貧乏人が渋滞だらけの高速道路に乗るようになるんだと思う。それは良い世界なのか悪い世界なのか。しかし高速道路を無料にするのは、元はと言えば自民党の約束ですから、時期はともかく、果たす必要があるのも事実。
で、南関東の比例ブロックは自民党、民主党、公明党、共産党、社民党、国民新党、みんなの党、新党日本、幸福実現党がある。公明と幸福実現は私は彼らの宗教団体の信者ではないので考慮外。国民新党を私は支持しない。社民党も私は支持しない。となると自民、民主、共産、みんな、日本の5択。Pirate Partyみたいなところがあれば投票しやすいんだけど、情報関連の先を見ている政党はないねえ。
マニフェストや政策集をざっと見ていくと、やはり自民・民主とその他ではだいぶ充実度に差があるなぁという印象。「その他」の言うことは1点集中、もしくは全体的に空虚ですよね。やはり大政党と中小の力の差か。マニフェストと政策集(政策BANK)自体は民主党のほうが出来が良い。
4年前の小泉政権と同じことを主張する政党があれば、そこそこ支持が広がっていたと思いますけど、どこの党も「4年前の民意は間違っていた」という認識のようで、そこに違いはない。こういうのは困る。3-way mergeみたいなもんで、4年前の結果(A)と自民党(B)、民主党(C)があって、kdiff3で採用するパッチを選んでいく、みたいな話であれば簡単に決められるような気がするんだけどね。