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山椒の実

こんな人いるよねぇ〜 本を読んでつぶやいた (つぶやきシロー)

著名な芸人さんによる書評? キャラクター通りの独白スタイルで、本自体はテーマを取ってくるだけで、ネタバレ的な書き方は控えめ。まあ、読み物としてはいいんじゃないかな。ただ、書いてる側が感じているほど楽しくはない。自虐ネタだったり、どうしても自分語りになるんだよ。本が主体にないというか。

関心の範囲が私とあまり重ならないこともあって、読んでみたい本はあんまり見つからない。逆に安心感? がある。

まあ、読んだことのある本ない本ありましたが、最後までそんな感じ。一冊くらいは紹介されていた本を読むかもしれない。ギリギリのところ。

世界一流エンジニアの思考法 (牛尾剛)

マイクロソフトのAzureのチームにいるエンジニアが、同僚のすごい奴らの仕事の進め方を語った本。ナデラの本を思い出しながら読むことに。マインドセットマインドセットうるさいんじゃー

この人のところでは2週間スプリントか。私のとこだと1週間ですね。2週間でやってた頃もあったけど、1週間に慣れると2wは考えづらくなる。1wを5dと決めた奴が凄いな。正確に言えば7dで2d休か。

最後の方は人生訓みたいな話になったが、まあそうだよね、というレベルの話が多かった。自分の職場を考えると、そんなに悪くないんだよな。前のところはかなり当てはまったが。あそこは今はどうなってるんだろうな。職場を移って10年くらい経つけど、あんまり変わってないんじゃないかな。

雨月物語 (上田秋成)

江戸時代の文才のある侍が、昔の怪談話を集めて物語にしたもの。怪談というか、本格的な物の怪の話か。いわゆる短編集に当たるものだが、それぞれ、なかなか読ませる話。

今回読んだのは青空文庫にある現代語版ですが、興味深い業な話が多かった。時代とテーマの必然で、僧侶や神官がかなり活躍する。

ラバー・バンド (レックス・スタウト)

ネロ・ウルフのシリーズ。今まで読んだことはなかったけど、巨漢の安楽椅子探偵だね。人気はあったはず。

かなり楽しめた作品になった。依頼人もそれなりに活躍したし、主人公も暴れたし、まさかゴムのコールマンがコールマンのゴムだなんて。描写は少ないが依頼人は美人らしいしね。本人の描写ではなく周りの反応の描写だけで美人と思わせるところがなかなか、うまいんだよな。そう思った。

ブラックホールをのぞいてみたら (大須賀健)

物理学者って論理がおかしくなることがありますよね。理論があるから現実でも起きないんだ、とかそういう言い方。現実を説明するのが理論であって、理論を実装したのが現実、ではないのに。

コンピュータシステムの世界ではなく現実の宇宙が相手なことが分かっているのだろうか。相対性理論は光が最速であることを「決めた」わけではないよね。現実に光が最速であり、それを説明する理論を考えたよ、反証ないでしょ? というだけであって。

舟を編む (三浦しをん)

辞書編纂に関わった若者たちの物語。すごい熱い話だった。執念よ。

よろずのことのはと言っても今や言葉の数はよろず(万)どころではなく、それを集めて解説した辞書ともなると、編纂するのは並大抵の労力ではない。IT技術の一般化によってだいぶ軽んじられてしまいがちなところはあるが、世の中で使われている語彙のスナップショットというか、その時代の考え方やコミュニケーションの全てをまとめたようなものだからなあ。

言葉があるから始まるのだ。ほとんど全てが。

リチャード三世 (シェイクスピア)

3歳と打とうとしてしまうが、それでは意味が違う。

ただの悪口大会のような話で、今の基準だと駄作だろうな。イングランドの歴史の知識があれば、もう少し違ったかもしれないが。ただ悪人は悪人らしく戦い、善人は早死していくだけだからなあ。悪口は良くないよ? チクチク言葉は禁止されてるんだよ?

ガニメデの少年 (ロバート・A・ハインライン)

地球の人口が爆発し食糧難に苦しむ中、木星の衛星ガニメデへの移民に入った少年を描くSF小説。

開拓者というか、先に植民している人がいて、後から大量に送り出された人々。まあバラ色の生活のように騙されて来た、ある種の棄民? という地球でもよくあったやつね。ボーイスカウトの話とか、まあいろいろ話が出てきて。文体はハインラインだ。回想のように、解説的な進行。

隣人が強すぎた。死なないにも程があるな。父親も判断力が強い。人間とはかくありたいものだ。特に、大人の男ともなると。

傍聞き (長岡弘樹)

短編小説集。秀作揃いだった。文章の構成が上手いんだろうな。ストーリーとしては、職業に特有な出来事の中で小さな謎を解明する心理描写なんだけど、自然に引き込まれていく。

自分の職業で起きうる出来事で、こういう物語を書けるかなーと思いながら読んだ。前任者によって仕込まれたバグを運用でカバーしていたところ…嫌な話だなこれwww

ザリガニの鳴くところ (ディーリア・オーエンズ)

いいですか皆さん、ザリガニは…鳴く!

とても惹き込まれる文章とストーリー。もしさかなクンの実家がとんでもなく貧乏で、家族が次々に逃げ出してしまったら? みたいな話。

湿地で一人で生き抜く少女、近づく男たち。その観察力と執念深い収集癖。そして頭が良すぎるんだよな。小学校にすら通わず、他人との交流も限定的で、独学でそこまで行くものなのか。なんかすごい話を読んだ。なんて物語なんだ。結末がやばい、という謳い文句の通りではあったが、この物語の魅力はやはり途中までの展開だろう。全体的には、過去と現在が順番に描かれて最後は追いついて統合されていくわけだが、過去側の展開がすごいわけよ。