Skip to main content

山椒の実

オーバーロードの街 (神林長平)

著者らしさを前面に出してくる話だった。今回の小道具はパワーローダー。それを使った、世界的親子喧嘩。

主人公、早死にするんじゃないかとヒヤヒヤしたけど、なかなかしぶとかった。すごすぎる名前のせいで、フルネーム呼びが続いた。面白がってるのか? 挙げ句の景太とは。

しかし、これってどこで世界が変わったんだろう。最初からか? 自分にとっては、いつの間にか変わっていた。

世界で一番すばらしい俺 (工藤吉生)

短歌集。割と話題になっていた(宣伝?)ので買ってしまった。まあじっくり読んだほうがいいんだろうけど、サラサラっと読んでいき。

自分としては仙スタを描いたと思われる「スタジアムを漏れる光の…」と、続く「傘を振り落ちないしずくと…」の2首が良かった。むろん表題作も良いのだが。あと「キスをする距離のふたりが…」の歌も良かったな。

でもこれ、長文本人解説みたいなの、ないんすかね。あとがきだけ? なんか長文早口で語りたそうな歌が多いんだけどな〜

探偵ガリレオ (東野圭吾)

物理学探偵ミステリ。映像化もされていて、割と有名らしい。短編集ですね。提示される自然な謎を自然に解いていく。推理小説ってのはこう、現実感のない設定じゃなくてさ、こういうのがいいんだよ。と思ってしまった。ほどよい。

登場人物もそれぞれ深さ広さがあって、魅力的ですね。結構長いシリーズのようで、今後も長く楽しめそうな気がするよ。

ボーン・レガシー

うーん、とりあえずボーンぜんぜん出てこないじゃん! と思った。

屋根上アクションは相変わらず健在だったが、地図を見ないでカーチェイス始めちゃうところには違和感が(これまでちゃんと地図確認してからやってたじゃん)。薬のことが多くて、まあ真相発覚、みたいな感じのストーリーにはしてあった。まー賛否両論だろうねこれ。どうなんだろう。雰囲気もかなり変わってて、前作までのファン(?)は不満に思う人も多かろう。

猫柳十一弦の後悔 不可能犯罪定数 (北川猛邦)

孤島ミステリで針の穴を通すような凝ったトリック。無理のある設定。めちゃくちゃな名前。どうなんだこのベタな…

という印象もあるが、文章の軽重もちょうど良く、探偵の特性もあって、割と楽しめた。映像化したら面白そう? だけど。まあもうちょっと違う読書路線にしようかなと思ってたところだからなー。

ボーン・アルティメイタム

シリーズ3作目。記憶を取り戻し、過去にケリをつけた。これで終わりの最終形って感じもするけど、さらに続編があるんだよね。どういう続け方をするんだろう。まあそのへん、やりようはあるか。映画的には、単にアクションが見れればそれでいい。前作のラストから繋がってるという作りも良かった。疲れ知らず。とんでもない体力だな。

前作の冒頭でヒロインいなくなってどうすんだと思ったけど、代役ではなく1作目からいたあの人がまあまあなポジションに。1作目で気になっていた髪切り鋏の切れ味は劇的に向上していた。成長。

ボーン・スプレマシー

あのアクション映画の第2弾。今回も結構死にましたね、悪人も善人も。主人公は不死身の最強殺し屋なのに、控えめなキル数。敵方がとにかく殺しすぎるんですよ。どうかと思うよね。

前作よりは少しは記憶も戻ってきて、しかし頭の不調はどうなのか…前作の登場人物も何人か駆り出されてきて、死んだり、死にかけたりしていた。

嘘をもうひとつだけ (東野圭吾)

加賀恭一郎シリーズの短編集。練馬署の。以前に何冊か読んだことがあるなー。バレリーナのやつとか。この本にも冒頭の短編はバレエ関係で。当時の登場人物が出てくるかと思ったが出てこなかった。おそらく加賀が確認をとったという有識者があの人なんじゃないか、程度な感じかな。

「嘘」というテーマのある短編集ということで、かなり秀逸だった。変に不自然な舞台設定で凝るよりも、こういうのがいいんだよな。

蜜柑花子の栄光 (市川哲也)

3部作のラスト。

なんかフラフラしたミステリだったなーというのが印象。主人公に人物性がないというか…無理矢理つけたしたけど、そのまま行っていいんだっけ、みたいな感じで。

ちょっと自分の好みとは趣向が違うかな、という気がした。4件目は、犯人にとってはとんでもなくアンフェアで、可哀想すぎた。最後は少しだけ救いを残す結末になったのは良かったが。全体のプロットとしては、小さな謎と大きな謎、という構図はシリーズを通して変わらなかったね。