Skip to main content

山椒の実

ドレスデン・ファイル 魔を呼ぶ嵐 (ジム・ブッチャー)

現代シカゴのハードボイルドで、アクションで、ファンタジー。家賃に悩まされ、警察に睨まれ、ヤクザに殴られながら謎を解く。これはいい話だなあと思って。

いきなりの魔法使いを自称してそのように振る舞う主人公だが、途中までなかなか魔法を使わない。これはラストで一発魔法を決めるだけで、その過程は普通に推理小説なんだと早合点していたんだけど、途中からバンバン魔術を決めるようになっていった。そうでしたか。

シリーズになって、続編も出ているらしいな。割と良かったけど、謎解き要素が薄れて魔法対決になってしまったのでちょっと趣向が変わったかなと思ったので、続きを読むかどうかは分からない。気が向いたら。

寄生虫館物語 (亀谷了)

目黒の寄生虫館の創始者が平易な文章で語りかける。

寄生虫館、こないだ行ったんだよね。もう1年くらい経つか。なかなかユニークでそそられる施設。実際、かなり面白かった。コロナもあってあんまり人はいなかったし、私設の博物館で研究所だから、こじんまりしていた。ただ面白さはあった。そういえば、来日したビル・ゲイツもここを訪れて楽しんだらしいというニュースも見たな。

この本はそんな寄生虫館がどうやってできたのか、寄生虫とはどんな存在なのかを示してくれる、いい本だった。読んでよかった。とりあえず今後できることは…野菜は洗うし肉は加熱して食べよう。そしてキタキツネには触らない。

相続税が払えない 父・奥村土牛の素描を燃やしたわけ (奥村勝之)

画家の家族が相続税で大変な思いをする話。評価額のある絵画のようなものを相続すると大変だな、という話。住居になる土地についてはまあまあ常識の範囲内であれば減免されるんだけど、絵画は…この本が書かれたのは1990年代だけど、今は制度的には変化があるんだろうか。

それにしても、出てくるのはとんでもない金額。実際自分の人生に当てはめてみても、この額はきつい。

やっぱ現金に限るね。減免は期待できないにしろ、処理がしやすいよ。自分もこないだ相続の処理したけど、現金が一番面倒がないって分かったよ。分けやすいしね。

「ふつうの家族」にさようなら (山口真由)

家族の法律に詳しい個人が語る。ふんふん、なるほど…と思うところも多かった。アメリカと日本の親へのなり方の違いのくだりが一番面白かったかなー。

なんか装丁から小説だと思って読み始めたんだけど、違った。むしろ小説じゃなくて良かった。

自分は家族について深く考えることもなく深層心理だけしかない状態だったかな、結婚したのは。それから適当に流されて今に至る。それができたのは「普通」の枠を外れなかったからなんだろうな。まーとにかく、この方向の問題については何も考えない人生だったな。それは認識できたよ。

その農地、私が買います 高橋さん家の次女の乱 (高橋久美子)

愛媛の農家から東京に出ている文筆家/音楽家が、実家の農地が太陽光パネルで埋められると聞いて奮闘する話。コロナもあってなかなか帰れないという状況もあり。「高橋さん家の次女」と言いつつ、ググってみると割と著名な人ですね。

小規模農家だけど、農地の売買の制約などもあり、難しさはある。収穫にこぎつけるまでに、猿や猪、カメムシとも戦う必要がある。農薬に関する考え方もある。使用にあたって作り手への健康被害があるとすれば、確かに見過ごせない。

沖縄県知事 その人生と思想 (野添文彬)

日本復帰からの歴代の沖縄県知事の列伝。なかなか読み応えもあって面白かった。

とりあえず選挙は欺瞞だね。当選するためには基地反対しなければならないし、自民党の候補ですら基地反対で当選するわけだけど、実際には何をしても国は聞く耳を持たないし、当選後は言うことを変えないと党内で生き残れない。

それで、沖縄県知事ってのは基地問題ばっかだな。そこに沖縄の難しさがある。実際のところ、差別ではある。面倒を押し付けて、寄りかかっている。私は沖縄は前職の勤続10年のお祝い休暇の時に一度行ったことがあるきりだけど、確かに基地は不自然にデカくて、現地の発展を阻害していることを容易に察することができた。

アカギ シーズン2+3

鷲巣麻雀の続き。あー、シーズン2は中学生時代か。ついに完結。面白かった。怪演っぷりはシーズン1が一番あったかな。シーズン3はエフェクトもたくさん効いていてビジュアル的には上回ったか。鳳凰の演出は良かった。

最後の1局は偶然が過ぎないか。いやまあ最初から偶然はあるんだけど、あれに理があるなんて、言えないよなあ。あれが許されるのも最終局ならでは、か。

アカギ シーズン1

理のないところに煙は立たず…人気漫画の実写TVドラマ化。鷲巣麻雀。漫画自体は私が学生の頃にやってた(その後もだいぶ続いていた)のだけど、この動画になったのは2015年か。割と最近か。

あー、完結してないのかよこれで。漫画のストーリー展開が遅すぎてドラマ化時にまだ終わってなかったという都合?? まああんだけノロノロ続けてる原作じゃ、しょうがないか…と思わせてくれる。

面白かったね。まあ元の物語(?)の筋がいいよね。俳優さんも全員本作に相応しい怪演を見せたし、これからは自分も1人称を「ワシ」に変えようかと思いました。