絶望の底で夢を見る (石井光太)
優れたルポライターが、さまざまな困難を抱える人々を記述する。それぞれに深いものがある。
著者の祖父の話は良かった。他にもゴミ屋敷の話、震災の話、ハンセン病の話など。性愛の話もあったな。語りきれない、それぞれの物語たち。著者の状況も関係する。
カメムシのくだりはなんていうか、印象に残った。そんなことまで書かないでいてほしかったような、あるいはこの記述があるから心に残るような。
世の中には、どうにもならない困難というものがある。自分の力でもどうにもならないし、他人の力を借りてすら厳しい。そういう時、人はどうするのか。どうするにしても、どうにもならない。それが苦しいんだよなあ。
以前に読んで衝撃を受けたレンタルチャイルドという本があるんだけど、やはりこの本に心を動かされた少女との交流の話もあった。それもなかなか苦しい話だった。置かれた状況、そこから見えている景色。うーん。