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山椒の実

木挽町のあだ討ち (永井紗耶子)

仇討ちをしに江戸に出た若者が芝居小屋に出入りして、本懐を遂げる。二年後に武士が芝居関係者の目撃者に聴き取り調査。インタビューにペラペラ喋る芝居関係者の人々。流石に皆さん口上が上手いなあ。さて真実は?

いやー面白かった。一気読み必至。インタビュー内容も、最後に明かされる、その後ろにあるものも。血なまぐさいオープニングなのに、読後感は爽やか。地獄を経た仏。人間だこれが。目撃談と、目撃した人の歩んだ人生、そして目撃された人の人生。それぞれ語られる内容が良い。

インタビューを受ける人にはそれぞれの事情があって、そこにいる。隠亡だった人の話なんかはかなり印象的だった。認め合い、受け継がれていく。まるで芝居のような現実、現実のような芝居。表裏一体だ。

時代小説も割と読んでたんだよな昔は。それを思い出した。今も良質な時代小説が出てるんだねえ。江戸時代は今でも人気のある時期だけど、今は令和になってっから明治大正くらいはもう時代小説なんだろうか。あるいは昭和もか?