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山椒の実

特殊清掃人 (中山七里)

このタイトルは完全にゲテモノ推理小説でしよ。著者もそういう方面だし。なぜ読もうとしたのか。まあ、嫌いじゃないだろうなと、そういう感じで。

果たして凄惨な現場が続く。大変だなどころの話ではない。床の補修はそんなに簡単なんだろうか。例えば高級な床材あるじゃないですか。ああいうのは別料金なのかな。

基本的には、答えのない問いにどうにか答えを出して自分を納得させるみたいな話だったかな。たいていは、孤独死した人間が生前考えていたことなんて想像するしかなくて、想像だけで終わる。

だけど、後半は生き残った側の答えを持ってる人も出てきたなあ。短編集だったが、この中では最初の男装の話が良かった。違和感から流れ込んでくる真実への道、物悲しさや絶望や何やらが読後の苦い後味に変わる。