国歌を作った男 (宮内悠介)
短編集。なんていうか、他愛もないフィクション? みたいな。なんつーか、ハルシネーション的な感覚がある。大して語りたいテーマやメッセージもないのに、淡々と現実的な嘘が並べられていく。
中では、料理魔事件が良かったかな。開高健のやつは、あんまりだろうと思った。表題作のゲームクリエイターの作曲家の話はどうだろう。私にはあまり刺さらなかったなあ。この世代の作家がMSXとか経験してるわけ? と思って思わずWikipediaを見たら、割と同世代な…自分より少し下のやつだった。ならMSXもありえるな。早熟なやつなら。文章を読んで、だいぶ若い印象を受けたんだけどなあ。しかも出身校が同じ…そう来たか。中ですれ違ってた可能性があるわけね。
全体的には、独特で印象的な空気感が続いている。嘘を並べて、みたいに書いたけど、部分的に著者の経験が混ざってるんだろうな。それが現実感になって空気の流れを感じるってワケか? 市松模様の床の描写のところなんかは特に。