若きウェルテルの悩み (ゲーテ/訳:井上正蔵)
ウェルテルっつーのも珍しい名前だね。ウィリアムとかヴィルトールとかの読み方の一種かな? そしたらあだ名はビル? 少し調べると、ウェルターとかヴェルタースオリジナル方面らしく。なるほど。相手方の(シャル)ロッテがロッテの社名の由来になるほどの大きな経済効果をもたらしたこの本を今、読む。250年の時を超えた、今ね。ネガティブ面としては、多くの恋に破れた若者を自殺に追い込んだ事実があり、ウェルテル効果、みたいな名前がついているようだ。ふーん。
そう、この本の最大の問題、名前はどうにかならなかったのか。頭文字は変えてほしかったな。だって、ウィルヘルムとウェルテルの書簡集だよ? 序盤はウェルテルの愛称がウィルヘルムかと誤解していた。じゃあこの手紙の主は誰よ? ばっかもーん、こいつがルパンだー!!
という感じで、叙述トリックだったらどうしようと思いながらの進行。これ犯人の行方はどうなるの? そんなワケがあるか。ウィルヘルム側からの書簡が皆無だから、そういうトリックであるということはありうる。この、編者という奴も怪しいな。こいつかウィルヘルムのどちらかが犯人だとして、トリックはどうなる。本人が貸与を受けたピストルによるヘッドショット死で、従僕の監視下で密室が作られている形なのかな。見取り図が欲しいところだな。企てた旅行の行き先に謎を解く鍵があるかもしれない。そして不誠実な語り手であれば、キーとなる記述は…
それはいいとして。
あらすじはよく知られている通り、大量の弟妹に囲まれたハイパーバイタリティテキパキ女(婚約者あり)に横恋慕した若造が耐えきれずに自殺しただけの長い話。かなり狂っていた。オレはこれのハードボイルド版を読みたいなあ。突き刺すような悲しみに傷つき果てながらも立ち上がり続ける鋼のような男、私立探偵ウェルテルの物語ね。まだなければ、今度ChatGPTに頼んでみよう。
しかし、この書簡は電子メールとかじゃないんだよね。日付のトリックでもない限り、1日に複数回送るなんてことが、あるのかどうか。リアリティ。言い足りなかったら投函する前に気づくべきだろう。そこも怪しいな。
作品自体が無駄に長い上に、この本は最後にかなり長い解説があるのだが、記述されているゲーテの生涯を見ると相当なロリコン変態オヤジだな。ひどすぎるクズ野郎だった。自分でも、美しい文章を書いてやろう、と思って書いてるんだろうなあ。気持ち悪い。