サイエンスペディア1000 (ポール・パーソンズ)
科学に関する辞典のようなもの。1000項目に絞って軽く説明していく。密度やバランスがちょうど良くて、これを入り口に興味のあるジャンルを掘っていくのも良いだろう。出版自体は2015年とあるけど、翻訳がその時期で、原著はもうちょっと前な感じで、訳註で補足があったりした。翻訳からも10年経っているから、状況はだいぶ変わってるのかもしれないが、自分が不勉強で、現状どこがどのくらい進んでいるのか判別できない。
物理学系の人の探究心には改めて驚く。新しい原理、現実からの発見、関連する現象を統一する理論、さらなる…と永遠とも思えるループが続くのだ。化学も広大なワールドが広がっているし、生物もさらに広い。地球、宇宙、医学、心理学…内容は人文系にも及んでいた。最後は未来学というほとんど空想の世界の話に。学問的に、それなりの根拠を持って予測していることは分かるけど、外れるんだろうなあ。サイエンスの世界はどこまであるのか、途方に暮れる感覚。
とまあ、巨人の肩を採寸するような本を読んでしまった感覚だけど、事典を最初から順番に通読する経験をするとは、思わなかったなあ。でも読んでよかった。球電の項目もある。