ルポ 秀和幡ヶ谷レジデンス (栗田シメイ)
いやー、迫力のある本だった。「渋谷の北朝鮮」の異名を誇る物件。幡ヶ谷なんて通勤で毎日のように通過しますが。東京にもこんな秘境じみた建物があるんだなあ。むしろ東京だからこそ、か。
私もマンション時代は管理組合の理事やったことありますけどね、だいたい回り持ちで任期1年だったかな。管理会社がしっかりしてれば、たいがい大丈夫なんだけど。途中で大規模修繕や管理会社変更なんていうドラマもありましたが。このマンションは自主管理に移行して悪化したんだろうな。
しかし最後までこの旧理事会の人たちのモチベーションが分からんよね。やっぱ横領的なことでもしてないと説明がつかない。こんな悪名が広まれば資産価値も落ちるし、何も得るものがない。謎ルールに関しても理由が考えづらく。今日びバランス釜限定て。不動産屋も指定するなんて、そんなことができたのか。キックバック疑惑でもないと理がないわけよ。旧理事会に雇われていた管理人も、描写を読む限りかなり上級の異常者だ。実在を疑いたくなるくらいには。事実は小説よりなお奇…か。
最後に触れられているが、こういう築古マンションは今後どう扱われていくんだろうか。区分所有者の管理組合が頑張って管理して長持ちさせる、というのはいいとしても、永遠ではないよねえ。本書で語られるマンションも、建てられたのは私が生まれた頃にほど近く、築50年が経過している。住民も高齢が多数、技術の進歩の恩恵を得られないまま設備も劣化し構造は古臭く、建て替えどうすんの、と。真面目に作られた鉄筋コンクリートは長期間使えすぎてしまうので、大きな災害で倒壊でもしない限り、そのまま続くんだろうな。そうであるにせよ、いつまで? と。