ゴリラ裁判の日 (須藤古都離)
すごい本だった。名作じゃないの。こういう本を読みたかったんだよな、という感じの本だった。文章力もすごいし、構成も良い。読後感も絶妙。度肝を抜かれた。著者は何者…
夫を殺された知性ゴリラが裁判を起こす。いやちょっと待て。と言いたくなる読者を尻目に、一瞬たりとも待たないで突っ走る。とんでもない知性。ゴリラに下品な言葉を教えるなよ。そして使いこなさないでくれ。我々読者は知性ゴリラの抑制的な独白を追いかけることしかできないのだ。ひたすら。もう、ゴリラのことしか考えられない!
母さん、オレ大人になったらゴリラになる!!
あるいは、、、
お前がゴリラになるんだよ!!
徐々に物語の本質に迫りつつもそれを感じさせない進行にも痺れた。