サイバースペースの地政学 (小宮山功一朗、小泉悠)
2024年のチバシティ・ブルーズ。まあギブソンあんまり合わなかったんだよね、ニューロマンサー、途中で挫折して最後まで読んでないんですよ。若かりし頃のちょっぴり痛ましい思い出。つまり同じSF者同士でも、ギブソンに毒されてるやつとは話が合わない可能性があるんだよな。
SF風ノンフィクション? モキュメンタリー風にしても良かったかなあ。語り口は果たして私には合わなかった。他に何の感想も浮かばない。書いてあることには特に意外な内容もなく、淡々と知られている事実をなんかそういう系の文体で綴っただけという。それでも、前半は割と良かったかな。キレまくっている海底ケーブル、ケーブルシップが希少で修理が大変、みたいな。実際に海底ケーブルが切れると大変だろうなっていうのは思う。
最後のエストニアは行く意味あったのかな?? バー出たところで無名の若者と偶然話しただけじゃないか? 事実も小説も、ラストシーンはそんなもんかもしれない。
そういえば、以前にデータの地産地消みたいなことを言ってた人がいたなあ。エッジコンピューティングみたいな文脈だった気がする。CDNのキャッシュとかでどのくらい大陸間の通信を減らせてるんだろうなあ。
テーマ的には興味の範囲内ではあるんで、思ったことはあるんだけど、どうしても自分とは趣味が合わない本だった。