西の魔女が死んだ (梨木香歩)
次回、西の魔女、死す! デュエルスタンバイ!?
それにしても、またオズか。西の魔女ってどいつだっけ? メモによれば、一度はドロシーを倒したけど顔が濡れると力が出ないよお〜で敗北…とある。まあドロシー強いからな。西魔女は、強者ドロシーの咬ませ犬的存在? 死体未確認キャラなんていたっけ??
最近の私は実は北の魔女が最強という説を唱えている。飛んできた家に潰されて初手圧死と活躍の場はなかったが、普通は家が落ちてきたらどんな強者でも死は避けられないものだし、予測も不可能だよね。家が落ちてくる経験なんてないでしょ誰にも。しかもストーリー上は巨額なサブプライムローンの残る自宅を犠牲にして最強魔女を倒したからこそ、ドロシーの英雄物語は幕を開けたのではないか?
それはともかく、この本はオズは関係ない。ここまで書いておいてアレだけども。
この本は、のんびりとしたファミリーイベントについて書かれていて、謎も解明されなければ悪い魔女を圧死させるような戦闘シーンもない。ソフトフォーカスな雰囲気(?)の中で、ただ時間が流れて一人が救われて、一人の世界が救われるだけの物語だ。後味の微妙に悪くもある経緯も。味方すらも敵に見えてしまう、怯えた子供が主人公だからしょうがないね。もっと筋トレとかすべきだと思う。
老人視点だと、好きなことして生活しながらピンピンコロリで跡を濁さず逝き、泣いてくれる子孫と友人がいて、と理想の死を送った物語だとも言える。極東の異国で老後の独居という字面からはかけ離れた充実度だなあ。ワシは羨ましいよ。
文庫版を読んだので続編も読めたが、そちらも悪くなかった。この後日譚を書くまでに著者の技術が向上したのではないかな。