着眼点だけの本。中身はこじつけが多いし、なぜか序盤に則天武后が出てくる。いきなりネタ切れ? 日本史とは?? 大東亜共栄圏の亡霊てこと??? あと源氏物語や近松門左衛門の心中物のストーリーとか、虚構からも遠慮なく引っ張ってきて現代的価値観で強引にこじつけるという。こんなやりかた、許されてるのかな。
「毒になる親」の本は以前に読んだことがある。ワリと有名な本ですよね。読んだのは自分が親になる前後のことだから、随分前だが。そういうことがある、という知識を手に入れたのは自分の人生と当家の運営にとって、ありがたかった。あの本は、毒・有毒という単語がpoisonだけではなくtoxicもあるということも知るきっかけになった。
それはともかく、この本は日本史の乏しい資料から毒親を見つけ出すことに労力を使っている。古事記・日本書紀の建国神話のヒルコの話を毒親話にしたり。そりゃ歴史上には数限りなくいるだろうよ。当時は現代人から見ると無知蒙昧なんだから。しかも医療も農業も発達しておらず、乳幼児死亡率も高い。私も知識やカネがなければそうなっていたかもしれないわけで。
だから、そういう人たちを史実虚構日本大陸全部まぜこぜにしてこき下ろすこの本は…うーん。しかしこの調子だとスターウォーズの毒親エピソードも日本史に含まれるはずだが、出てこなかったな。あーでもエヴァとガンダムが出てきたからいっか(←ウソです念の為)。そういえば北斗の拳にも結構毒親いたよなあ。あれは日本史だぞ? 忘れてないか??(←しつこい)
まあ、読み物として面白い部分も、ないワケではない。全く自分が好きなタイプの本ではなかった。