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山椒の実

Timer 世界の秘密と光の見つけ方 (白石一文)

こんな歳になっては知りたいことや知るべきことがあるはずもないのだ、か。大麻でもタイミーさんでもない、Timerという時限付き不老不死装置が普及する世界に生きるモータル老人が、思い出を胸に街をゆく。

老人向けSF小説? 途中まではそれなりに魅力のある物語だったけど、ラストは独善的というか、観念的な話に終始しており、まとまっていなかった。キーになっていたはずの骸骨幻影も整理がついていないし、いろんな言い分にも納得できるものが少なかった。なんつーか、不人気で打ち切られたの? と心配になるような感じ。最近のホラーテイスト入れたらもっと行けなかったか? いろいろ考えてしまう。

老人向けだけあって一つ一つの章も短いし、ややこしい設定の割に説明も明瞭。文章は普通に上手いんじゃないかな。空気感みたいなものも感じられる。それだけにまあ、残念だよ。