Skip to main content

山椒の実

灼熱 (葉真中顕)

ブラジル移民の話。あのワイルド・ソウルを思い出しながら読んでいく。棄民、勝ち組と負け組の抗争…田舎の村に殖民した人々の人間模様。

太平洋戦争の勝敗が裏返るのはディックも書いたようなテーマだけど、この勝ち組負け組問題は、大小さまざまあるんでしょうね。史実があるから説得力もでかい。

この本自体は、なかなか重厚な物語だった。序盤から不穏な表現が散見されるが、それが明らかな伏線になっていて、しかしなかなか姿を現さない。後半の展開もかなり衝撃的だ。名乗りもしっかりアツい。

また、いい本を読んだなあ。