Skip to main content

山椒の実

名探偵と海の悪魔 (スチュアート・タートン)

なかなか重厚で素晴らしい物語だった。しかし最近だと2段組は珍しい。

登場シーンの少ない囚われの謎解き人の周囲の人々が、船中に巣食う呪いを解いていく。いくんだけど、いろんな事柄と死が起こって、果たしてこれはどうなるの? どう収拾つけるの? と疑問に思いながらも読み進める。トム爺…じゃなくてトム翁か、コミカルな名前とは裏腹に、かなりのホラーが入ってるね。ゾンビが出てきても納得するくらいな空気だが、出てこない。

かなり良い読書体験だったのは間違いないけど、このラストはどうなんだろう。この主人公は欠点がない奴だけど、傷つきすぎているし。時代背景を考えて納得するしかないのか。

タイトルもミスリードを誘うよね。海の悪魔? 名探偵「と」? 出てこねーじゃん、違うじゃん、ていう。まあ正直なタイトルにしちゃったら、それは出オチなんだが…