花歌は、うたう (小路幸也)
歌うたいの物語。ずいぶん都合がいいな。町内の人物の闇のない独白が続く。闇がなさすぎて逆に怖い。現実感が薄い。結末も早くから見えている。この空気で何かが決定的に傷つくわけがないんだよ。どうしよう、読むべきか、やめるべきか。一応最後まで読んだ。
表現は難しいな。そう思った。天才とか、才能があるだのないだの、それを文章で表現するわけだけど、まあ出来ないよねえ。どういうイメージなんだろうな。尾崎豊あたりで考えればいいのだろうか。流れ星のようにステージを駆け抜けて、いなくなってしまった歌手。
その後日談は空虚なものか、どうなのか。もっとこう、ハルオの再生の物語として書けば良かったんじゃなかろうか。物語中、主人公の適性があるのは、こいつだけだろう。実際に主人公と言えるんだけど、そんなに活躍してない。他のメンバーがぼんやりしてるせいだ。そこも、ちょっとイラつくポイントだった。