3つの物語が進んでいく。こういうのは最後に出会って一つになるのが王道なのだが、これは時代的・地理的に難しくないか? と思って読み進む。それぞれの物語は絶望的で魅力的で、否応なしに引き込まれる。
どうなるのか。同じ、ミツバチというテーマがある。ミツバチの飼育、そして絶滅による文明の崩壊。受粉を司っていたミツバチがいなくなると農業が崩壊して食糧不足で文明が…という論ね。
物語の上で、中国だけは奴隷労働による人工授粉で乗り切っている。そして奴隷労働者の子供が遭遇した事件が…
あんまり関連は薄いけど、オルファクトグラムという小説を思い出した。確か、ハチが反応するフェロモンが出てきたよね? 映画にもなった実話(実話ではない)。
重厚な物語たちは、一種の叙述トリックを交えて大団円を迎える。かなり良い読書体験になった。500ページ弱と最近では厚めな部類に入る本で、しかもテーマが重く救いが薄い。だけど読みやすかった。翻訳が良かったのかもしれない。