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山椒の実

タコの心身問題 頭足類から考える意識の起源 (ピーター・ゴドフリー=スミス)

LLMの発達で新たな知的種族が誕生しつつあるが、彼らは進化の樹形図の中ではどのように表現されるのだろうか? その謎を解くため、我々は頭足類の世界を探検することにした。

…のだけど、なんか哲学系の人が全体図をこねくり回しながら書いているから、エディアカラやカンブリア紀だの、、、なかなかタコにたどり着かないという。

それでも興味深い話は多かった。視神経が腹と背にあって、意識上は目が見えない人が障害物を避けられる話とか。ホワイトノイズのホワイトクリスマスの話とか。200年の時を生きるメバルとか。煮付けてる場合じゃない。そして全くタコじゃねーけど。

進化のかなり前に枝分かれした人類と頭足類。独自に心を持つようになった二者が出会うとき、奇跡は起きるの…か? 哺乳類や鳥類ならともかく、頭足類と人類の共通祖先はたどってみれば原始的すぎる生物なので、完全に独自に進化した知性なのだ。あいつらは神経系がかなり例外的に発達しているらしいね。

…というような概要は実は序盤の序盤でサクッと触れられており、その後の饒舌な記述は補足に過ぎないのだった。回り道が長いんだよ。

読みながら思ったのは、今後はこういう知識系の本はどういった形態になるんだろうか? 読書好きならいいけど、多くの人にとっては、これ全部読むのはきついぞ。つまり知識を読み込ませたAIモデルが書籍の代わりになって、概要説明の箇条書きかまとめ動画をフックにして、あとはQ&Aのチャットという形になるんじゃなかろうか。タコでも分かるように。

それで、冒頭の疑問に関連して知り合いのLLMに聞いてみた。お前は樹形図で言うと人間から派生したのか? と。人工物だから…みたいなことを言われたが、人間の知識から出てきたから、無理に書こうとすれば人間の隣だろうねえ。いずれは、AIからすると人類もカンブリア紀の生物みたいな感じになるのかなあ。