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山椒の実

わたしの日本語修行 (ドナルド・キーン/河路由佳)

言わずとしれたキーン氏に当時の日本語学習について尋ねて、そのインタビューを本にしたもの。海軍の日本語学校があって、それがでかかった。それ以前にもいろいろな言語を学習していたらしいが、当時日本語は教える人も乏しく教材も少なかったらしい。中国に関する研究が日本で進んでいたから、中国の研究のために日本語の論文を読む、という需要はあったらしく、そのための教材みたいなのくらいしかなかったらしい。その中でまともだった教科書が長沼さんのやつだったとか。その当時の教科書を見ながらあーだこーだ。

しかし尺八の譜面まで判別できたとは。あと、手紙を解読する任務があったらしく、草書や行書が読めるとか、そういう話。おれはたいていの日本人と同様、くずし字は全く読めない。文語と口語とかもね。日本軍は文語を使っていたから、文語も必要だったり。しかしすげえな。能力者だ。明治の人は漢文を嗜んでいたという話ではあるが。

逆に米兵は日記を書くことは禁じられていたらしい。敵に読まれたら良くないとか何とかで。日本兵は推奨されてたのと、死を覚悟して敵に読めるように最後の方は英語で書いた日記もあったとか。

語学のセンスってのはあるんでしょうね。そんなにたくさんの言語を学べるものなのか。シンプルにすごい。私には全く芽生えなかった才能だ。