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山椒の実

心 (ラフカディオ・ハーン)

明治の頃の気風をよく伝えてくれる本。時期的には、日露戦争前って感じかな。示唆に富んでいると言える。ような気がする。私は懐古主義ではないし、昔のほうが良いとか、古きに戻るべきとか、そういう気持ちになることはないんだけど。興味本位?

まあ何かしらの教訓を受けて良い将来を作れればいいだろうし。世の中はガンガン良くなっているとはいえ、微調整も必要だろうよ。その学習データとして歴史は良いものだ。

最初の停車場が凄かった。全体の方向性を決める、その決め手になるような衝撃。その衝撃のまま、読み進めることになる。

宗教の話とか、一言一言が深そうで、ちゃんと読めた気がしないなー。頭に入ってこない。自分にとっては、宗教というものはサイエンスが発達する前に宇宙の構造を推測していた、いじましい試み。そのくらいの認識があるので、概論は知っておきたい気持ちはあるけど、深淵に踏み込む気はないんだな。

最後の方の有名な昔話は実は私はよく知らなかった。小栗判官の生命力がスゴかった。さすが、半神だけのことはある。まるで江戸のペルセウスだ。まあこのへん、どこまで行っても家族の話ではあるよね。普遍的なんだよな。指輪物語もあんだけ書いてアラゴルンの家族の話だし(違)、里見八犬伝も伏姫の家族の話、スターウォーズも要はスカイウォーカー家の親子喧嘩ですからね。