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山椒の実

アンブロークンアロー 戦闘妖精・雪風 (神林長平)

外出するたびに「ダメだ、この惑星は居住に適さない…」と呟いてそこを去りたくなる日々が続きます。この猛暑。そこで夜更けにSFだよ。夏ってのはSFが捗る季節なんだ。

起きるのはすべて、起きて当然のことなんだ。

しかしなかなか話が見えないぞ? 感覚がおかしくなった登場人物がそれぞれに長台詞の考察を続ける、この著者特有のストーリー進行。だけど、現実とは思えない矛盾が目立ち、どうなってんだこれ、と。その謎を解明しながら物語は進んで行くのだけど。そもそも前提となっている地球とフェアリイをつなぐ通路という設定がある。なんだ通路って。お前の心には物理法則とかないんか!

その、通路との関連を考えれば、時空などは越えて当然なのかもしれない。そして意識とか言語とか、なんとか…頭がおかしくなりそうだぜ。途中でついていけず、置いてけぼりを食らった。そうではありつつも、だんだん追いついていく感覚もあって読み進めると面白くなっていくのも特徴的。

ラストの後味は前作同様だ。この終わり方で、次作を何年も待たせるのがこの著者なんだ。ただし、残念ながら今回は次作をすぐに読める環境が用意されている。