国のために死ねるか 自衛隊「特殊部隊」創設者の思想と行動 (伊藤祐靖)
能登半島沖の不審船事件で煮湯を飲んだ自衛官が、その経験を元にいわゆる特殊部隊の創設に関わり、退職後も技能を磨く人生を送る。その一端に触れることができる本。国とは。そのアイデンティティは。
火力のあるデカい本隊だけでは対応できないような、戦争未満の事態が念頭にあり、そのための技能を考えるとそれは特殊部隊、という単純な話ではある。だけどその特殊部隊も人間と道具で構成されているわけで、ではどんな技能を持つ人間達にどんな道具達を組み合わせればいいのかって話になる。特殊部隊は持てる火力も低く安全性が低い場所に行くから…
記述としては、ビークルコンバットとインディビジュアルコンバットの考え方の違いなんかは興味深かった。
まあ、考え方の筋は、かなりしっかりあるんだよな。父祖伝来の。複雑な感情をうまく表現できていたと思いますが、危うさも感じたり。きっかけとなった事件における認識もこの人は主観のみであって、多くは見えていないような記述だった。あとこの人が去った後でダメ組織化しているような話もあって。