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山椒の実

テニスプロはつらいよ 世界を飛び、超格差社会を闘う (井出夏生)

テニスの競技で生きていけるプロ選手はランキングで100位以内、と言われているらしい。100位以内であれば4大大会に予選なしで出場できて、この本戦には出場するだけで賞金400万円くらいが貰えるので、4大会で1600万、これで暮らせるのだと。

100位に入れないと予選からの出場で、途端に厳しくなる。そもそも、本書の主人公たる関口選手を含めて、大多数のプロ選手は予選にすら出れないのだ。したがって、小さな大会でポイントを稼いで100位に入る、というのが多くのプロ選手の目標になる。小さな大会ってのもレベルで区分けされていて、ポイント格差がすごい。ジュニア時代にトップ選手だった関口選手は、その100位以内を目指してもがき続けている選手。プロになるまでの歩みと、きつい環境を記録していく。

テニスは所得の勾配がきつすぎるんですね。安定的に現役生活ができるゾーンが狭い。極貧か、大富豪か。その2択。野球やサッカー、相撲やゴルフなど他のプロ競技とはかなり異なる環境で、この競技環境はさすがに悪すぎると思った。改善した方がいいんじゃないかな。案があるわけでもないのだけど。