放哉の本を読まずに孤独 (せきしろ)
どうせ読んでも孤独だろうが!
自由律俳句をもとにしたエッセイ集。かなり自由奔放に書き散らかしている。これがこの著者の本領か。楽しそうだなおい。郷愁の漂う、子供/学生時代の昔話みたいなのも多い。途中から中央線ポエムみたいになるのはどうかと思った。読む人を選ぶのでは? 私は中央線が実家で故郷だから、対象読者ど真ん中な可能性?
そして基本的に自分しか出てこない。他人が出てきたとして、無駄に他人に気を使って自問自答する自分という構図。これが孤独の側面だ。
差し挟まれる写真もいい味を出している。だけど、3ページのリズムだと製本には適してないんじゃないかという気もした。冒頭に自由律俳句、関係性の薄い孤独な自由律エッセイ2ページ、哀愁漂う孤独な自由律写真1枚。
本文は昔の人の句が題材だが、最後の締めに(おそらく)自作の句が並んでいた。中では「供えられた花…」「自分の注文分を…」の2つが特に良かった。