コロナに翻弄された家 (末利光)
コロナ初期に妹2人を失った元NHK記者の手記。生々しい話に無念さがにじむ。心情を歌う短歌を散りばめてある。趣味なんだろうな。
ひどかったよな、あの頃。誰も彼も、ただ右往左往するのみで。特に重症化率、死亡率の高かった老人にとってはたまったものではなかったろう。
治療薬については、放っておけば死ぬ&改善の可能性があるかも&副作用が無さそう、という状況なら使ってほしいという心情は理解できる。一方で大きな病院がエビデンスに乏しく保健外になる薬を投与するのが簡単でないのも当然と言える。研究に使うことすらある程度のハードルがある中で、治療に使うとなるとねぇ。
ではベストな解は? 死がそうなのか。受け入れられるのか。そんなはずがあるか。当時突きつけられた極限とは、そのようなものだった。