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山椒の実

象は忘れない (アガサ・クリスティ)

ポアロがインタビューで過去の事件をほじくり返して真相を解き明かす話。

途方もないおしゃべりが続いて、多くは無関係なんだけど事実もあって、徐々に真相が分かっていく。ちゃんと読者にも分かっていく構成はうまいなー。あとおばちゃん同士の会話のリアリティも。各人のおぼろな記憶が、重ねていくことでハッキリしてくる。解像度が上がっていくというか。

しかしこの真相も悲しくはある。正解を知っている奴がいる違和感はあった。いちゃいけない法はないんだが。ただ、その人物にたどり着くのも相手から来たってだけだからなー。結局偶然の必然というか。これならポアロじゃなくても、っていう。あのカップルが正攻法で迫ったら、ゲロってくれたんじゃないの?

似た構成の作品もあるみたいなので、読んでみようかなー。