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山椒の実

あたらしい無職 (丹野未雪)

フリーの編集者の日記。非正規雇用の末に転職、人生初の正社員となるも1年で辞めてまたフリーに。ツテも多くて仕事もやってて、普通にフリーの編集者まるだし! って感じで、あんまり無職って感じでもないんだけど。日記形式で淡々と必要最低限の言葉を無駄なく連ねている。まあ後半はバイトとか借金とかしたりして、生々しい話では、あるよね。

「無職って感じ」って何かと言われるとまあ…よく分からなくなっていくわけですね。この本を読んで、さらによく分からなくなっていく。この人のこの状態は果たして、無職なのか? 本の中の描写では「求職中」すなわち「無職」みたいな扱いをされた場面があったりした。「無職」は求職すらしてない、ニート寄りの意味が強まる印象がある言葉。

あとは…次が決まる前に辞めちゃう蛮勇の凄さは、ある。普通の転職は、仕事をしながら転職活動をして、採用が決まってから辞める、という手順になります。辞めますと切り出した時点でスケジュールは確定しているので、慰留されて翻意するなんていうドラマは起きないものなんですよ。