チェコSF短編小説集 (ヤロスラフ オルシャ Jr. 編)
チェコSFという、日本では珍種に属するジャンルの短編集。よく出版したなこんなの…
いきなりショートショートみたいな感じのもので、これが11本だけ? 解説ばっかだったらどうしよう…という不安感も持ちつつ読み進めることに。いわゆる政治寓話みたいなのが多いですね。P.K.ディックで言えば「まだ人間じゃない」みたいなノリね。現在と地続き感をつけたディストピアSF? 好きでSF書いてるんじゃないのかもしれないな、と謎の感想を持った。
実際は中編くらいのものもあるし、短すぎるものすら。ただ正直傑作だと思えるようなものはなかったし、ハッキリつまらないと思えるものもあった。叙述トリックじゃないんだから、と。無論好き嫌いはあり、悪くないものもあったよ。
全体的には後味というか、読後感を大切にしてる感じはするね。まあ、こういうのがあってもいい。あんまり売れないのかもしれないけど、たまに読む、程度なら。あとは、ローカル性を出すとその感覚のない外国人には通じないんだなと思いました。星新一とかは世界的にも通用するんだろうなあ、たぶん。たぶんだけど。