私は本屋が好きでした あふれるヘイト本、つくって売るまでの舞台裏 (永江朗)
ヘイト本対策委員会、みたいな本。ヘイト本というのは何だろう、ネットから拾ってきた言説で中国とか韓国を叩くだけの、内容のない本ね。ネトウヨ向け? 割とよくある。確かに世の中の本屋で並んでいる光景を見たことがあって、誰が買ってるんだろうと思ってた。ネトウヨは実は読書習慣がある人が少なくて、むしろ老人男性がよく買っているらしいよ。で、国内の老人男性は偏った尊皇攘夷? 思想化が進んでいる。あいつらなぜか反米ではないんだよな不思議と。かつて祖国を占領し今も陽に陰に支配下に置いているというのに。屈辱感じねーの? こないだ読んだ日本マンセーみたいなノリの気持ちの悪い本もこの範疇にある。
まあ正直…私も日に日に老人男性というカテゴリに近づいている年頃。ただこの種の本…自分の人生には関わりのない話ではありそう。まー、ネトウヨ現実にいるけどね。左側の活動家も老人化が進んでいるという印象はあるが、どうなんだろう。我々は世代を重ねるごとに…従順になりすぎてないか?
私も攘夷思想は少しありますが、この本の中では古谷某に近くて、単にアメリカにムカつくというだけ。歴史的には、直接的に打ち負かされた強大で狡猾な相手よ。やり返さなくてどうする! なんてね。だから割と鳩山政権を評価してたりするw よりによって。
本屋の空気が好きで、老人攘夷男性でない人にとっては死活問題ではあるんでしょう。私は若い頃は本屋好きでしたけど、今はそうでもない。本はAmazonで買うか図書館で借りるか。大規模書店でもたまに買うけどね。頻度は低いし、暇さえあれば本屋に入り浸るような生活は、もうしていないんだ。それでも若い頃は…本屋か、ホームセンターで工具を見てるのが好きでしたね。そう言えばそうだったなぁ。
この本によれば、ヘイト本はひところよりはあんまり売れなくなったらしい。たぶん、マーケットの縮小に伴って絶滅するんじゃないかなあ。本という存在自体が下火になってるという状況もある。私は純粋な文芸、まともな研究からくる論評、人類の中で正義を探す冒険、刑務所文学、あとは超絶くだらない本が好きだからさ、そういう本の市場規模が増えて、いい本を次々に読みたいとは思うよ。ただの趣味の問題だが。
この本の著者はヘイト本が駄目だ、作るやつや売るやつはどういうつもりなんだ! という正義にこだわっているが、供給側の問題と言うよりは、買う人が多いという需要側の問題をどうにかするほうが、より正義に近いと思った。人間がヘイト本を好む状況になるのはどうしてなのかと。で、需要は縮小してたというのが分かってホッとした部分はあるね。